2015年12月20日 (日)

『ドルフィン・ソングを救え!』

樋口毅宏『ドルフィン・ソングを救え!』(マガジンハウス)を読む。恋してるとか好きだとか以前にこれは読まざるを得ない、あの二人組みにぞっこんだったオリーブ少女ならば。世を儚んで睡眠薬を飲んだ45歳未婚フリーターのトリコ(渋谷直角の『カフェ女(略)』で、これは自分だと思い絶望するあたりの場面から既に動揺する程のシンクロ率)が、何故かタイムスリップした89年で、憧れだったミュージシャン、ドルフィン・ソングの悲しい事件を阻止しようとする話。もう限りなくフリッパーズ・ギター!彼らへのオマージュ、そこここに散りばめられたコラージュに俺の中のオリーブ少女がアニエスb.のボーダーを握り締めてむせび泣いたよ。そしていちいち楽しかった。

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2014年10月 2日 (木)

『烏に単は似合わない』

阿部智里の『烏に単は似合わない』(文春文庫)を読む。入り口は十二国記的な異世界ファンタジー。その類が苦手な人でも割りとすんなり馴染める世界観とキャラ設定で、四人のお后候補の誰が入内するのかしら?つう、女の敵は女!みたいなどろどろを楽しんでいるうちに物語は暴走し、本作が松本清張賞受賞作品だということにはたと気付かされるのであった。なんじゃこりゃああああ、と松田優作で叫ぶ。ヤラれたよ。

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2012年10月18日 (木)

『伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝』

桜庭一樹の『伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝』(文春文庫)を読む。実は里見八犬伝をあまりよく知らないので(薬師丸ひろ子のとか...あと歌舞伎で観たくらい)、どう贋作なのはよくわからず。知ってたらもっと面白いのかもしれないけれど、知らなくても充分楽しめた。山から下りてきた猟師の娘が、江戸の町を跋扈する伏という犬人間?を狩る(ざっくり)、伝奇時代劇とファンタジーの狭間で繰り広げられる冒険活劇。色は鮮やか、音は賑やか、森や獣や風の匂いも確かにしてくるような。五感を揺さぶられ、いつまでもその世界から戻れないような気がしました。

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2012年2月15日 (水)

『残される者たちへ』

小路幸也の『残される者たちへ』(小学館文庫)を読む。小学校の同窓会、クラスメイトのひとりだけ全く記憶にない...という発端から、なんだか不思議な物語である。ミステリのような、SFのような。しかし、私は団地小説として読みました。すこぶる局地的なのだが、小さい頃団地に住んでた人に鋭意おすすめ。団地独特の団結力っつうかでっかい家族的な感じとか、うるっと懐かしい。何十年も経った後、限界集落っぽくなってしまっているのも同じで、ちょっとせつない。なんつって、まだ団地に住んでいるわたくしなんですけどね☆

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2011年9月14日 (水)

『別冊図書館戦争Ⅱ』

そういえば有川浩の『別冊図書館戦争Ⅱ』(角川文庫)を読んだ。あーこれでわたくしをやきもきさせたこのシリーズもほんとうに終わりなのねえ...っつう寂寥感と一抹のほっとした感。自分、人さまの結婚にあんまり興味ないっす!ってことに本書で気付きました(遅いわ)。結婚だけがハッピーエンドじゃねえ、と思ってるのかなー。それとも単に人の幸せがつまんないのか(←狭量)。今回、緒形副隊長の過去話が良かったデス。

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2011年7月28日 (木)

『別冊図書館戦争Ⅰ』

有川浩の『別冊図書館戦争Ⅰ』(角川文庫)を身悶えしながら読む。んもーーーーこいつら!!どうにかしてぇ~!と叫びながら走り回りたくなるほどのベタ甘☆勿論褒めてます。いちいちツボです。やっぱり俺は堂上派だなあ。いいなあ上司と恋愛(そこかい)。別冊は更に甘味が増してる気が。素面じゃ読めないぜ、とひとり酒をあおりながら読了。そして泥酔。爆睡。起きたら夜中。嗚呼恋っていいっすねーとか呟く駄目人間。

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2011年5月23日 (月)

『プリンセス・トヨトミ』

万城目学の『プリンセス・トヨトミ』(文春文庫)を読む。何かとてつもないことが起こりそう!なプロセスを楽しむ小説だと思うので、あらすじとか書きにくいっす。歴史的にでっかい話のようで、それでいてどこかちまっとしてユーモラスな印象もあって、そのあたりが万城目学の肝なんではないかと思う。途中のわくわく感からしたらどこか肩透かしな収束も込みで。でも私はこーゆうの好きよ。会計検査院の三人のキャラなんて秀逸!と思う。三人ともイイ。映画版では旭ゲンズブール役が綾瀬はるかみたいだけど、これは違う気がするなー。もっとでかくて外人顔じゃないと...。マイコとかどうよ。鳥居も岡田くんではかわいすぎる!でもまあ小太りの冴えない子を巨大スクリーンで見せられるなら岡田くんのかわいい顔のほうがいいか。なんてな。映画も見ちゃうかな。

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2010年12月24日 (金)

『塩の街』

有川浩の『塩の街』(角川文庫)を読む。塩害で塩に埋め尽くされた崩壊寸前の東京が舞台の小説。で、塩害って何?SF?的な感じでなんとなく気が進まないままに読んだらアナタ。...はまった!あっという間にのめりこんでいた。今日会った人が次の瞬間には消えてしまうやもしれないぎりぎりの世界で、人々は恋をする。そのことが救いになったり強さになったり。でも愛は地球なんか救わない。どういうことか、読めばわかる。好きな人が生きてさえいれば、最後の最後まで一緒にいられれば、それでいい。「世界なんかどうでもいいんです、ごめんなさい。」という主人公女子の言葉に嗚咽。”世界中から憎まれても、その歪んだ願いを捨てられない”のが恋なんだ。嗚呼ヤラれました。これ、有川浩のデビュー作らしいっす。すげえな。初めっからとばしてたんだ。今更ですみません。

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2010年11月13日 (土)

『純棘』

ご無沙汰ちゃーん。どんな人とでもうまくやりたいと思うあまり、疲労困憊の俺様です。内田せんせの本を読んで「自分の主張は間違っている可能性がある」という前提に立って自説を修正することも辞さず、めんどくさい人とも何とか折り合いをつけたいと思っているのですが、小人物なのでムツカシイっす。そんなわけで一週間うだうだしとりました。
やっと週末。何もかも忘れて五條瑛の革命シリーズ第六弾『純棘』(双葉文庫)に没頭。前作あたりまで正直中だるみかも...と思っていたのだが、ここへきて役者が揃ってきた感じ?サーシャ様の露出がいつになく多かったのも佳境に入ったってことかしら。うふ。アンド国粋主義者の登場がまたスパイシー☆遅れてきた武士みたいなのに何故ちょっとわくわくするのか。ミシマの匂い?俺は右なのか?つう問題はさておき、果たしてこの国に革命が起こるのかどうか見届けたい次第である。

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2009年12月27日 (日)

『インスタント沼』

邦画ベストを決めていた時、そういえば原作本買ったじゃんと思い出して、ほったらかしていた三木聡の『インスタント沼』(角川書店)を読む。今更。読み進むにつれてあんなシーンやこんなシーンが鮮やかによみがえり、ふんとに面白かったことだよ。じり貧でもドロ沼でも、水道の蛇口をひねればいいんだ!みたいな、つまんない日常を生き抜くヒント的なばかばかしくて素晴らしいことがいっぱい詰まった本です。最後に沈丁花ハナメが叫ぶ言葉なんて、座右の銘にしたいくらい好きだなー。願わくば映画化の折のキャスティング表もつけてほしかった。細かくね。でもってもう一回映画も観たい。

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