2015年2月22日 (日)

『64(ロクヨン)』

横山秀夫の『64(ロクヨン)』(上下巻・文春文庫)を読む。昭和64年に起きた誘拐事件(未解決)を当時担当していた元刑事・三上は、現在はD県警広報官。という彼の経歴がまず結構な波乱を含んだ複雑な設定で、広報官という仕事の難儀さや板挟みぶりの描写が続く前半は正直地味だ。しかしこれがじわじわと存分に効いてくる頃には、もう読むことをやめられない。組織内の理不尽なパワーゲーム、幾重にも絡み合った一筋縄ではいかない人間関係、記者との息詰まる対決。これでもかと押し寄せる山場にもうへとへとだよ!流石の横山秀夫。読み応えのある1冊であります。

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2015年2月 7日 (土)

『盗まれた視線』

五十嵐貴久の『盗まれた視線』(双葉文庫)を読む。私がいいなと思うハードボイルド的探偵の条件は、へらず口だが独自の行動規範を持ち、女性に弱いか女性好き。吉祥寺探偵物語シリーズはその観点から言ってもかなりナイスなハードボイルドだと決め付けている。まあ厳密に言えば探偵・川庄はコンビニのバイトで、職業的探偵ですらないんだが。今回もストーカー被害にあっているらしい女子大生のボディガードを無償で引き受けるお人よしぶり...。しかし新宿のように鮫もいない、吉祥寺のゆるっとした雰囲気が、そんな探偵には似合っていてとても良い。

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2015年1月17日 (土)

『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』

三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』(メディアワークス文庫)を読む。シリーズ6冊目、太宰に関する話故、そのあたりは読む方も気合が入り(好きだからさ)、めっさ楽しめた。しかし、そんな風に古本の魅力を教えてくれる反面、人間のダークな部分をシビアに晒し後味の悪さを残すのもこのシリーズの魅力なのか。古本が絡むと道を逸脱する人や裏のある人腹黒い人狡猾な人....と普通の顔をした魑魅魍魎がこわいです。こわいです。もう一回言ってみた。

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2014年10月 2日 (木)

『烏に単は似合わない』

阿部智里の『烏に単は似合わない』(文春文庫)を読む。入り口は十二国記的な異世界ファンタジー。その類が苦手な人でも割りとすんなり馴染める世界観とキャラ設定で、四人のお后候補の誰が入内するのかしら?つう、女の敵は女!みたいなどろどろを楽しんでいるうちに物語は暴走し、本作が松本清張賞受賞作品だということにはたと気付かされるのであった。なんじゃこりゃああああ、と松田優作で叫ぶ。ヤラれたよ。

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2013年9月 6日 (金)

『アウトサイダー』

深町秋生の『アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅲ』(幻冬舎文庫)を読む。姫川玲子の256倍アクの強い女刑事・八神瑛子シリーズ第三弾。凄まじいまでの美貌と暴力、ありとあらゆる手を使って子飼いの手下を作っては利用し、ヤクザも上司もものともせず、ただある目的の為に疾走するダークなヒロインは過激すぎるがかっちょいい。米倉涼子あたりがいかにもドラマでやりたがりそうな感じ(想像です)。本作である意味クライマックスを迎えたわけだが、続きはあるのかな。ひと仕事終えた後にモチベーションあげるのも大変だろうけど、普通に捜査する八神瑛子もちょっと読みたい。

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2013年9月 4日 (水)

『QED 諏訪の神霊』

高田崇史の『QED 諏訪の神霊』(講談社文庫)を読む。薬剤師タタルさんが、日本史のダークサイドとリアルの殺人事件をほぼ同時に解決しちゃったりするこのシリーズもあと3冊らしい。今回のお題は諏訪大社の奇祭・御柱祭に隠された謎を解く!御柱の真相にはぐいぐい迫るが、二人きりでお泊り旅行なのに奈々ちゃんには一向に迫る気配のないタタルさんに乾杯。一生デレなしのツンでいて...

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2012年10月27日 (土)

『ヴェニスを見て死ね』

木村二郎の『ヴェニスを見て死ね』(創元推理文庫)を読む。ニューヨークの私立探偵・ジョー・ヴェニスの活躍を描く短編集は、日本人作家(翻訳家・評論家であるらしい)によるものなのに完全に翻訳物のハードボイルドな味わい。昔好んで読んでいた矢作俊彦の『マンハッタン・オプ』に似た匂いも醸す。タイトでスマート、でもラストでさらっと深い余韻を残す感じがイカす。こうゆうの好きだなあ。続編も早速購入。

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2012年10月14日 (日)

『楽園のカンヴァス』

原田マハの『楽園のカンヴァス』を読む。随分前に読んだのだけど、あまりに好きで良くて自分の中で熟成させていた...。たぶん今年読んだ中でダントツ好きかも。始まりは大原美術館。そこから既に掴まれている。それからアンリ・ルソーの絵を巡る謎。MOMAにある「夢」とそっくりな、もう一枚の絵は果たして贋作なのか?二人の研究者に示された手掛かりとなる不思議な書物。嗚呼もう興奮しながら頁を繰った。真相が早く知りたいけれど、この夢が終わらなければいいとも思った。ルソーの絵にどうしようもなく惹かれる人なら、絶対に酔える。そうでなくても、ルソーの絵が観たくなる。今すぐに、MOMAに行って。

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2012年10月 8日 (月)

『ハング』

先週酔っ払って階段から落ちたらしく(らしく?)、左半身がだいたい痛い一週間であった。特に左手小指は腫れ上がり、おれおれ折れてる!?くらいに痛かった。aが打ちにくいんだよな...でもだいぶ復活。三連休はぐずぐず。
誉田哲也の『ハング』(中公文庫)を読む。うーん、やるせない。普通に警察小説だと思って読んでたら、あまりのあまりさに打ちのめされた。警視庁捜査一課の堀田班が再捜査することになったある殺人事件、一見単純そうにみえたその裏の奥の奥に巨大な闇が...みたいな話。ありえない!と思いたいけど絶対ないとも言えないところが怖いで。

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2012年9月25日 (火)

『インビジブルレイン』

誉田哲也の『インビジブルレイン』(光文社文庫)を読む。あの女刑事・姫川玲子に泣かされる日がくるなんてなー。チンピラ惨殺事件の捜査中に浮上した過去の事件、隠蔽しようとする警察組織、ちらつく暴力団同士の抗争。相変わらずキレのいい仕事ぶりを見せる姫川でありますが、そんな彼女が図らずも陥ってしまったのっぴきならない状況に全女子が感涙(推定)。惚れたら確実にマズいとわかっているのに為す術もなく惹かれてしまう男って、マズいという事実そのものが3割増しで香ばしいものなのだ、きっと。

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