2009年12月16日 (水)

『ハヅキさんのこと』

川上弘美の『ハヅキさんのこと』(講談社文庫)を読む。独特な、不思議な味わいの短編集。地面から少し浮いているようなパッションのさじ加減が私は好き。他者にはわかり辛いひっそりとした情熱の持ちよう。嗚呼そんなていでいたい(が私には無理)。『昨日、ルノアールで』と平行して読んでいた為か、時折この本をルノアール妄想ものとして読んでしまうことがあったのだが、ほんとすみません。

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2009年12月14日 (月)

『ピース オブ ケイク(全五巻)』

珍しく文章を書くのも読むのも億劫になっている今日この頃。京都旅行や友人たちと会ったりしてダウナーもやや持ち直したかと思われるも、一人になると未だマイナス思考を引きずってぐずぐずな案外暗いおさるよ。つうわけでとりあえずマンガでリハビリ。ジョージ朝倉の『ピース オブ ケイク』(全五巻・祥伝社)を読む。リハビリになるのか!?むしろ傷口に塩なのではあるまいか!?しかしイイ。まったくもってイイ。だがイタイ。痛すぎて嗚咽&号泣。主人公の志乃が、のし(マイ本名)に読めてしまう。すまん、そんな若くないし可愛くないしもてないし巨乳でもないんだけど、全然違うんだけど、でも志乃ちゃんの言い分がすごいわかるよーーーうえっうえっうえっ←嗚咽。どんなに好きでも相手にはつれなくされて、でも好き故に気持ち悪い口説き方とか相手がどん引きするようなこととか「もっともっともっと歪な事が出来ちゃう」、負のスパイラル。その美しくなさにまた落ち込むんだけど、たまにこれ!っていう偶然があったりすると「この人が笑うんだから世の中はステキだ 私の歪さなんか全く関係なくステキだ」と全世界肯定で、もうこの人を困らせるようなことをやめよう、と悔い改める。嗚呼この感じ、まるわかりだぜ。どうしてくれよう。と更にぐずぐずになりながらまた一人酒を飲むのであった。

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2009年12月 5日 (土)

リスペクト!ヴィレッジ・ヴァンガード

昨日のわたくしは金曜日だと言うのに気分はどん底、心の中でべそをかきながらうろうろと本屋を徘徊しておった。とは言っても大型書店はどこも似た様な品揃えなので何軒も行くとだんだん飽きてくる。そこで久しぶりにヴィレッジ・ヴァンガードへ赴いた。そこには気になっていたマンガがこぞって平積みしてあり、ヴィレッジ・ヴァンガード的な実にうまいコロシ文句の帯でわたくしの中の女子にしきりと語りかけてくるのであった。こうなったらどっぷり恋愛マンガ漬けだ!とどっかのメーターが振り切れたわたくしは、片っ端からマンガの大人買いをしてしまったよ...の割には全部一巻だけっつうのがしょぼいとこなんだが。とにかく普通の書店で目当てのマンガを探すのが超苦手なんだけど、その点ヴィレッジ・ヴァンガードはスゴイ。出版社別とか関係なく、読みたかった本がまとめて置いてあるんだもの。なんでですか?
つうわけでラインナップ→ ジョージ朝倉『ピース オブ ケイク(1)』(祥伝社)、人をちゃんと好きになれない主人公が、ほんとうにどうしたらいいのか...みたいな恋におちた時のどうしようもなさがイタイ。ねむようこ『午前3時の無法地帯(1)』(祥伝社)、『ペンとチョコレート(1)』(芳文社)は、それぞれこれでいいのかと悩みながらも仕事を頑張る主人公の姿がすこぶるいいっす。でも女子力を忘れないようにね☆っていう教訓もある。山本幸久の小説と似た感じの味わいかな。西炯子の『娚の一生 第一巻』(小学館)、51歳海江田教授(老眼鏡)が素晴らしい。面構え、たたずまい、キャラ、今回読んだ中では一番のどストライク紳士。東村アキコの『海月姫01』(講談社)は腐女子の生態に興味津々。ていうかあんまり他人とは思えない。頑張れ尼~ず。
ああもう全部イイ!!以上。と終わらせてもいいくらい甲乙つけ難し。全部続き買うぜ。読み終わった後には心地よい疲労とともに、己の落ち込みなんてなんだかどーでも良くなっていたのでした。文学もすげえけど、マンガも天晴れだ!

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2009年11月30日 (月)

『去年ルノアールで 完全版』

今更なんすけど、せきしろの『去年ルノアールで 完全版』(マガジンハウス文庫)を読む。おもおもおもしろいっす!電車の中で読むとニヤニヤしちゃって危険だから家で読んだよ。でも家でもげらげら笑ってたら連れ合いにアタマおかしい人と思われたよ。たぶんエッセイだがむしろ妄想純文学?とにかく毎日ひたすらルノアール(喫茶店の)に行って、そこにいる変な人の様子やとんちんかんな出来事を若干の妄想混じりで綴りました的な一冊。この無気力この無駄この無益この無意味、しかし全く揺るがない清々しいまでに堂々たる姿勢。なんすかこの人。むのすごい。世の中は広すぎる。

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2009年11月29日 (日)

『BILLY BAT(2)』

浦沢直樹&長崎尚志の『BILLY BAT(2)』(講談社モーニングKC)を読む。まだ二巻なのに既に話を見失っている俺...。救世主?ニューヨーク?忍者??”歴史の闇と光を紡ぐコウモリ”、自由自在に現れるビリー・バットとは何者なのじゃ。うーむ、まだまだ謎は深まるばかりだが、気長に見守りたい。

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2009年11月28日 (土)

『シンデレラ・ティース』

久しぶりに本屋へ行ったら伊坂幸太郎の新刊が出ていて驚いた。幸せな不意打ち...☆湯浅さんの新刊とともに買い求めて、あったかい冬。
坂本司の『シンデレラ・ティース』(光文社文庫)を読む。歯医者ミステリだ。それは需要があるのか?と普通に思うが、歯医者嫌いなのにこうやって引っかかる奴もたまにいる。歯医者の受付でバイトをすることになった大学生サキちゃん(割と箱入りウブ娘)が、クリニックのスタッフたちと一緒に仕事をし、患者さんの行動に隠された秘密やなんかをちょっと気になる歯科技工士男子と解き明かしたりするうちに、人間として成長していったりするという、日常の謎系ミステリを坂本司風優しさでコーティングしました的な話。嫌いじゃないです。特にちょいオタク入った歯科技工士の四谷くんは好みだな。指が綺麗なところが良い。そこか。でもそこ結構大事よ。

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2009年11月22日 (日)

『証し』

矢口敦子の『証し』(幻冬舎文庫)を読む。一家四人惨殺の嫌疑をかけられた十六歳の少年。産みの母である絹江と、卵子を提供したDNA上の母・木綿子、二人の母親が真犯人を探したり事件の真相を追ったりする話。最初から最後まで、どう読めばいいのか正直全然わからず。金持ちでかなり自分勝手で強引な木綿子の、ちょっと頭がおかしいかも的な思い込みは笑ってもいいのか?そして思わせぶりに引っ張った挙句のこのオチはこれでいいのか?などなど疑問がいっぱい...後味悪かったっす。おお、もしやそれが狙いなのですか。だとしたらお人が悪い。

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2009年11月17日 (火)

『借金取りの王子』

垣根涼介の『借金取りの王子 君たちに明日はない2』(新潮文庫)を読む。リストラ請負人・村上真介シリーズ第二弾。リストラされる話なんてたとえひとごとであってもあまり気分良くないだろうけれど、そんな局面に対峙した人たちを丁寧にあたたかく描いた秀作と思う。真介の8歳年上の彼女とか、表題作に出てくる元ヤンキーのイカす女上司とか、結構イイ女が登場するのも買える。働いているといろんなことがあるし、明日何が起こっても不思議でないこのご時世ではあるが、とりあえず真摯に仕事しよう...とかうっかり思ってしまった。うっかりって何だ。

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2009年11月14日 (土)

『しがみつかない生き方』

売れている本を読んでみようシリーズ。香山リカの『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)を読む。自分、割としがみついてしまうタイプなので、軽く眼から鱗である。「恋愛にすべてを捧げない」...真剣に気をつけよう。「自慢・自己PRをしない」...心掛けます。「仕事に夢をもとめない」...もとめないし。「生まれた意味を問わない」...ようにしたら楽になった。「<勝間和代>を目指さない」...笑った!
昔はこの手の本を読むと気付かなくてもいい生き辛さに気付かされたりして積極的に落ち込んでいたものだが、さほど思い詰めなくなったのは年をとって諸々諦めがついてきたせいか。さらっと読み、切り口的なところを取り入れて少し自己改善できたらそれでいいかなって感じ。

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2009年11月12日 (木)

『スクール・デイズ』

ロバート・B・パーカーの『スクール・デイズ』(早川文庫)を読む。ボストン郊外のハイスクールで起こった銃乱射事件、容疑者の少年の祖母からの依頼で事件の裏に隠された真実をスペンサーが追う。今回痛感したのは、スーザンとホークの存在は思ったより大きいなあっつうこと。二人が登場しないスペンサーシリーズはやはり圧倒的に物足りない...。だからこそ最後の章はぐっときた。出張から帰ってきたスーザンを抱きしめて、「私はまたすべてがそろった人間になった」だってさ。イイね、まったく!

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