2012年10月10日 (水)

『マグマ』

真山仁の『マグマ』(角川文庫)を読む。原発ダメならもう地熱で良くね?と思い込んでいる短絡的な読後の俺だ。正直地熱発電のことはまるで知らなかったのだが、なんで知らないかっていうことも含めて興味深かった。外資系ファンドのヴァイスプレジデント(東大出の美人)が、会社の思惑もよくわからん中、政治家と利権のどろどろ、地元の反発、研究者との衝突等々にやられながらも地熱発電の可能性を模索しつつ奔走するっつう、起伏にとんだストーリー展開なので、題材の割には案外読みやすいよ。つうわけで頑張れ地熱。

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2012年9月30日 (日)

『書店ガール』

碧野圭の『書店ガール』(PHP文芸文庫)を読む。タイトル、如何なものか。と思ったけど、書店ものには滅法弱い俺様である。吉祥寺の老舗書店の副店長・理子は、ガールと言うには若干無理ある41歳。若くて可愛いが気が強く協調性がないもう一人の女子社員・亜紀27歳とはのっけから臨戦状態。もうねー、半分くらいまでは書店仕事の苦労や面白さを味わうよりも、これでもかと畳み掛けられてくる”女の敵は女”的エピソードに食傷気味!でもそれがあとからぐーんと効いてくるんだな。ほんとうの敵と戦い、店の危機に果敢にも立ち向かう、”書店ガール”たちの勇姿を見よ。書店ものには弱い俺様は、そのいちいちにやっぱり泣きが入るのであった。

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2012年9月24日 (月)

『ラブコメ今昔』

有川浩の『ラブコメ今昔』(角川文庫)を読む。自衛隊員の恋愛と結婚を描いた6篇。有川浩で自衛隊でラブコメ、ってもう磐石でしょう!これ一冊で五杯飯が食える。一升飲める。その方面が好きな人は勿論どっぷり萌えられるし、そうでない貴兄にも興味深く読めると思う。まあべた甘なので、きゅうううんとしつつも妙齢にはちょっとこっぱずかしいぞ☆ってとこもあるが、著者の自衛隊へのリスペクトと真面目な愛に裏打ちされた”ラブコメ”は、やはり逸品であります。敬礼。

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2012年9月19日 (水)

『任侠学園』

今野敏の『任侠学園』(中公文庫)を読む。前作『とせい』で出版社再生に挑んだ、義理人情を重んじる正統派ヤクザ・阿岐本組が、今回は潰れかかった私立高校を建て直す!っつうマーヴェラスでファンタスティックな任侠小説。荒みきった学園にヤクザよりタチの悪い生徒、無気力な教師、モンスターペアレントと、これでもかの状況に風穴を開ける阿岐本組の立ち回りを見よ!すかっとして後からほろり。唐獅子株式会社とかプリズンホテル系のチャーミングなヤクザが活躍する話は大好物なんす。ある意味ファンタジーかもしれないけどね。大事なことはみんなヤクザから教わった。なんてな。

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2012年2月17日 (金)

『CC:カーボンコピー』

幸田真音の『CC:カーボンコピー』(中公文庫)を読む。広告代理店のアカウント・エグゼクティヴっつう仕事も絶好調な41歳バツイチ美人が主人公。題材として興味深い広告業界を舞台に、恋愛的な要素も絡めつつ、ビジネス部分もきっちり読ませる起伏に富んだストーリー...なんですけど、なんとなく終始乗れないのは何故だ。仕事、お好きなんですね...その上、おもてになるんですね...って思っちゃう。やっかみですかね。主人公のパワフル女子に比べると、本書に出てくる男性陣にほとんど魅力がない(ように思える)のがご愛嬌かな。

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2011年9月13日 (火)

『タイニー・タイニー・ハッピー』

月がキレイ。白ワインで一杯、二杯、酔っ払い。
飛鳥井千砂の『タイニー・タイニー・ハッピー』(角川文庫)を読む。眼鏡女子の表紙(渡辺ペコのイラスト)が大層かわゆらしかったのでジャケ買い。そしてアタリ!タイトルは、東京郊外の大型ショッピングセンターの名前。通称「タニハピ」を舞台に、そこで働く人、買い物にくる人、すれ違う人、出会う人、交錯する人間模様を描いた秀作であります。生きていれば色々ある。好きな人と些細なことでケンカしたり、分かり合えなくて悲しくなったり、迷ったり悩んだり。それでもまた新しい一日を始められるような、ちっちゃなシアワセに気付くことが大事かも。なんてね。そう信じてみたくなる、小さくても力強い一冊であった。他の作品も読んでみたいどす。

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2011年8月 8日 (月)

『渋谷に里帰り』

暑いすな。この一週間、仕事に負けてました...なんつって、たいした仕事はしてないんだけど。時間さえあればできる仕事なんすけど。しかし残業させてくれないのでもうこれ以上は無理!きーっ!等々吠えながら、こんな時は山本幸久のお仕事小説だー。つうわけで『渋谷に里帰り』(新潮文庫)を読む。国立大学卒業後、食品会社に就職して何のビジョンも野心もないまま10年経った営業マン・峰崎稔くん。寿退社する先輩から渋谷地区の営業エリアを引き継ぐことになった、この喜怒哀楽の乏しい男子は果たして覚醒するのか?みたいな話。読みながら、仕事ってやりようでどうとでもなるなあとか、報われた!みたいな瞬間がたまーにあったりするから頑張れるんだよなあとか、地味にエキサイトしました。山本幸久のお仕事小説はほんとにイイ。俺のような後ろ向きの人間にすら、明日からも頑張る!なんて思わせてしまう力があることだよ。

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2011年6月 9日 (木)

『かばん屋の相続』

池井戸潤の『かばん屋の相続』(文春文庫)を読む。銀行員を主人公にした話5篇。老舗かばん屋の社長が亡くなり、会社を手伝っていた次男VS元銀行員の長男の間で起こる相続問題を描いた表題作は、京都の某かばん屋のお家騒動を彷彿とさせてちょっとアツくなった。銀行ネタは奥が深いねー。愛憎相半ばする気持ちで結構のめり込んでしまいます。

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2011年4月17日 (日)

『カイシャデイズ』

山本幸久の『カイシャデイズ』(文春文庫)を読む。基本スーツ萌えだけど作業服も大好物な俺様に、まず作業服イラストの表紙がヒットです。ちっちゃな内装会社を舞台に、そこで働く人々をそれぞれの目線で描いた、実に山本幸久らしい会社小説!営業、設計、技術、総務、経理と会社には色んな部署があり、新人、先輩、後輩、同期、社長、お客さんと色んな人々と係わらねばならない。なんとなくウマが合う人もいれば、顔を見るのもイヤな人も。でもどんなに好かんたらしいあの人だって、他の誰かからみたら結構いい奴だったりする。”一緒に働く”って不思議だ。ただ同じ会社で一緒に働くことによって、なんだか絆が出来てきたりするんだな。そうしてだんだん情が移って思いがけず仲良くなったりね。そんなことを思いながら、笑いながら読める一冊だった。最後の社長の一言が、普通で素敵でじーんとした。

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2011年3月27日 (日)

『埋み火』

ハイパーレスキュー隊、かっちょいいね!つうわけで暫く放置してあった日明恩の消防士シリーズ第二弾『埋み火 Fire's Out』(双葉文庫)を読む。老人世帯で火事と不幸な焼死が続き、若干の不審な匂いを感じて独自に調査を始めたヤング消防士・雄大が突き止めた真実とは...みたいな、一応ミステリのていですが、お仕事小説もしくは青春ものとも言えましょう。消防士の仕事全般がよおくわかって興味深い。個人的にはレスキューサイボーグ・仁藤様が大好物なんだが、今回あんまり出番なしでちょっと残念。あと単純そうに見えて案外屈折してたりするめんどくさい雄大くんの葛藤や逡巡がトゥーマッチなのか、全体的に長い!気がする。でもこのシリーズ好きなんで、もっと書いてもらいたいなあ。仁藤様メインでもいいぜ。

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