2015年3月 2日 (月)

『婚外恋愛に似たもの』

宮木あや子の『婚外恋愛に似たもの』(光文社文庫)を読む。女には二種類ある。2.5次元の男に本気で入れあげる女と、生身の男にしか興味がない女だ。前者ならば共感死にするかもしれないオモシロ本!後者でもきっと対岸の火事的にオモシロ本。登場する5人の女子はデビュー前のアイドルグループに夢中(これを小劇場の役者とか歌舞伎役者に入替えれば俺もシンクロ率120%)。富も美も知性も兼ね備えたクソセレブから真反対の残念な女まで、全く違うタイプの5人が、アイドルに本気の愛を注ぐという共通点のみでなんとなく繋がる様が、何だか笑えてそして可愛い。それぞれリアルの世界ではそれなりの不満とか悩みとか当然あるんだけど、彼らへの愛だけで今日もパワフルに生きていかれるんだよ。こんなシアワセの形も絶対あるね。女子に過剰な夢を見ている男子も読んだらいいよ。

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2015年2月15日 (日)

『エンプティスター』

大崎善生の『エンプティスター』(角川文庫)を読む。『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』に続く恋愛三部作完結篇、ということだが、前二冊を1センチも覚えてない...。でも特に支障はない。センチメンタルがトゥーマッチの上、なかなかハードな展開に反して割愛感が甚だしい。でももしかしたらおじさん受けはするかも。本書を読んでの一番の収穫は、鶯谷がスゴイことになっている!!ということかな。

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2015年1月10日 (土)

『おまえじゃなきゃだめなんだ』

角田光代の『おまえじゃなきゃだめなんだ』(文春文庫)を読む。やさしい味、と言う表現がなんだかキライだった。聞く度に「ケッ」と思っていた。しかし、表題の小説に登場するある食べ物の”やさしい味”に、参った。やさしい、としか言い様がない、ただそこにあるだけなのに気持ちに寄り添いあったかくしてくれる食べ物。おお、これが正に”やさしい味”ってやつか、と感動すら覚えた。タイトルがまた泣かすね。ティファニーに関する短編も大層良い。女性はジュエリーを贈られる事が勿論好きだが、それを選んでくれたりする時間を含めて更に嬉しく愛おしく思うのだ。ジュエリーはただの物ではない、人生に深く関わるキラキラなのだよ。

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2014年10月16日 (木)

『キング誕生』

石田衣良の『キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇』(文春文庫)を読む。まだ何者でもなかった高校時代のタカシが”氷のキング”と呼ばれるようになるまでを描く、ちょっぴりほろ苦いIWGPエピソードゼロ。現在の笑わない絶対君主ぶりからは想像もつかない、かわいげのあるタカシさんが新鮮です。関係ないけど、いいときの窪塚くんが懐かしいねー

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2013年11月 4日 (月)

『書店員の恋』

梅田みかの『書店員の恋』(日経文芸文庫)を読む。タイトルだけ見てとりあえず書店ものと踏んで惹かれるも、書店色は思ったより強くはないかな。もっともっと書店仕事をディープに掘って掘り下げて!と願うのはきっと俺だけ。恋のほうは、設定がモバゲーとかの恋愛シュミレーションゲームみたいな感じ?やったことないけど。要は愛かお金か、といったところで揺れる女心...的な話だが、全然シンクロできないにも係わらず、さっくさく読めました。お金持ちでイケメンのベストセラー作家に言い寄られて悩む意味がわからん!と、もう身も蓋もない感想を持ってしまう東京砂漠であった。御免。

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2012年10月11日 (木)

『恋のかけら』

アンソロジー『恋のかけら』(唯川恵、山崎ナオコーラ他/幻冬舎文庫)を読む。作家陣に大好物の山崎マキコの名前があったので買ってみたら、『ちょっと変った守護天使』(←既読)の一部抜粋だったよ...幻冬舎め。でも恋愛小説の分野に疎いわたくし故、このようなアンソロジーは未知の作家に出会えるという観点ではわくわくする。本書に関しては山崎マキコの魅力を再確認して読了。

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2012年9月30日 (日)

『ダブルファンタジー』

村上由佳の『ダブルファンタジー』(上下巻・文春文庫)を読む。著者のデビュー作がどうにも合わなかった為、それ以来一切読んでなかったのだが、本作は女のプロと言うべく友人の強いお薦めで読んでみた。予想に反して案外のめり込んだぞ。村山由佳に謝りたい。呼び捨ててるけど。全篇ほぼエロ!なんだが、たかがエロされどエロ、それは己の生きかたにも関わってくることなのだな。主人公の奈津(←売れっ子脚本家)のいる世界が華やか過ぎて庶民にはぴんとこないとこもあるけれど、女性という性のめんどくささ、一筋縄ではいかない奥深さ、口に出せない激しい気持ちをもてあます感等々はどこにいてもさほど変らないとは思うので、女性ならば共感できる部分があるに違いない。タイトルの意味も、わかった時にやるせない。予断だが、奈津の師匠にあたる演出家が出てくるとどーしても蜷○を思い浮かべてしまい、いいところでも若干萎え気味だったわたくしを許して下さい。

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2012年9月24日 (月)

『ラブコメ今昔』

有川浩の『ラブコメ今昔』(角川文庫)を読む。自衛隊員の恋愛と結婚を描いた6篇。有川浩で自衛隊でラブコメ、ってもう磐石でしょう!これ一冊で五杯飯が食える。一升飲める。その方面が好きな人は勿論どっぷり萌えられるし、そうでない貴兄にも興味深く読めると思う。まあべた甘なので、きゅうううんとしつつも妙齢にはちょっとこっぱずかしいぞ☆ってとこもあるが、著者の自衛隊へのリスペクトと真面目な愛に裏打ちされた”ラブコメ”は、やはり逸品であります。敬礼。

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2012年9月20日 (木)

『左京区七夕通東入ル』

瀧羽麻子の『左京区七夕通東入ル』(小学館文庫)を読む。京都を舞台にした京大生(推定)の恋愛小説、ってところでもう既に夢のシチュエーション故におなかいっぱい。京大でも文学部の女子なら、こんなに小洒落た娘もいるのね(偏見です)。この小洒落女子・花ちゃんが恋をする理学部数学科の男子(やっと若干のモリミー臭)がちょっと変っていて、とにかくほっとくと数学に没頭しちゃうっていう、俺のような凡人にはよくわからん人物。よって花ちゃんの恋のライバルは数学...って共感しづらいわ!ま、たぶんやっかみですけどね。

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2012年9月18日 (火)

『もしもし下北沢』

昨日の『悪の教典』の苦味を緩和するべく、よしもとばななの『もしもし下北沢』(幻冬舎文庫)を読む。決して全面的に癒される話でもないのだが、でもじんわりとからだの隅々まで効いた。いきなりな喪失感の中から少しずつでも再生していくみたいな話は、よしもとばななの真骨頂かも。「人を殺すのも人だが、人を救うのも人の力だ」という、如何ともしがたい闇のなかに確かに見える力強い光。特別なことではなく、誰の日常にもきっとある光。だから絶望することはないよな!と思えてくる。それにしても本書に出てくる下北沢の街がとっても魅力的。「レ・リヤン」の麦のサラダがすごおおおおく食べてみたい。

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