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2012年9月

2012年9月30日 (日)

『ダブルファンタジー』

村上由佳の『ダブルファンタジー』(上下巻・文春文庫)を読む。著者のデビュー作がどうにも合わなかった為、それ以来一切読んでなかったのだが、本作は女のプロと言うべく友人の強いお薦めで読んでみた。予想に反して案外のめり込んだぞ。村山由佳に謝りたい。呼び捨ててるけど。全篇ほぼエロ!なんだが、たかがエロされどエロ、それは己の生きかたにも関わってくることなのだな。主人公の奈津(←売れっ子脚本家)のいる世界が華やか過ぎて庶民にはぴんとこないとこもあるけれど、女性という性のめんどくささ、一筋縄ではいかない奥深さ、口に出せない激しい気持ちをもてあます感等々はどこにいてもさほど変らないとは思うので、女性ならば共感できる部分があるに違いない。タイトルの意味も、わかった時にやるせない。予断だが、奈津の師匠にあたる演出家が出てくるとどーしても蜷○を思い浮かべてしまい、いいところでも若干萎え気味だったわたくしを許して下さい。

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『書店ガール』

碧野圭の『書店ガール』(PHP文芸文庫)を読む。タイトル、如何なものか。と思ったけど、書店ものには滅法弱い俺様である。吉祥寺の老舗書店の副店長・理子は、ガールと言うには若干無理ある41歳。若くて可愛いが気が強く協調性がないもう一人の女子社員・亜紀27歳とはのっけから臨戦状態。もうねー、半分くらいまでは書店仕事の苦労や面白さを味わうよりも、これでもかと畳み掛けられてくる”女の敵は女”的エピソードに食傷気味!でもそれがあとからぐーんと効いてくるんだな。ほんとうの敵と戦い、店の危機に果敢にも立ち向かう、”書店ガール”たちの勇姿を見よ。書店ものには弱い俺様は、そのいちいちにやっぱり泣きが入るのであった。

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2012年9月26日 (水)

『流離』

佐伯泰英の『流離 吉原裏同心(一)』(光文社文庫)を読む。佐伯泰英に手を出したら破産ですよ、の危惧があったため注意深く敬遠していたのだが、ついに着手してしまった。なんとならば、マイラブ活字ジャンキー次長が佐伯漬けになっているらしかったから。ヨコシマだ!ふふん。佐伯の先輩である活字ジャンキー友達に何から読んだらいいかをこっそりヒアリング、彼女オススメの吉原裏同心シリーズから入ってみた。幼馴染である人妻と駆け落ちした豊後岡藩馬廻役・神守幹次郎が、追っ手を避けながら流浪の旅を続け、吉原遊郭の用心棒として拾われるのが一巻(ざっくり)。ううむ、なかなか面白い。朴訥でおとなしい印象の幹次郎だが、結構突拍子もない行動力があるし(何しろ駆け落ちだぜ)、とにかくつええところがイカす。おじさんたちが夢中になるのもわからないでもないのう、と呟きながら2,3冊まとめて買う。

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2012年9月25日 (火)

『インビジブルレイン』

誉田哲也の『インビジブルレイン』(光文社文庫)を読む。あの女刑事・姫川玲子に泣かされる日がくるなんてなー。チンピラ惨殺事件の捜査中に浮上した過去の事件、隠蔽しようとする警察組織、ちらつく暴力団同士の抗争。相変わらずキレのいい仕事ぶりを見せる姫川でありますが、そんな彼女が図らずも陥ってしまったのっぴきならない状況に全女子が感涙(推定)。惚れたら確実にマズいとわかっているのに為す術もなく惹かれてしまう男って、マズいという事実そのものが3割増しで香ばしいものなのだ、きっと。

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2012年9月24日 (月)

『ラブコメ今昔』

有川浩の『ラブコメ今昔』(角川文庫)を読む。自衛隊員の恋愛と結婚を描いた6篇。有川浩で自衛隊でラブコメ、ってもう磐石でしょう!これ一冊で五杯飯が食える。一升飲める。その方面が好きな人は勿論どっぷり萌えられるし、そうでない貴兄にも興味深く読めると思う。まあべた甘なので、きゅうううんとしつつも妙齢にはちょっとこっぱずかしいぞ☆ってとこもあるが、著者の自衛隊へのリスペクトと真面目な愛に裏打ちされた”ラブコメ”は、やはり逸品であります。敬礼。

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2012年9月23日 (日)

『逃避めし』

吉田戦車の『逃避めし』(イースト・プレス)を読む。わたくしは料理を作るのがあまりというか全然好きではないが、料理に関する本は案外好きなのだ。素敵にネガティブな語感の『逃避めし』はタイトルからしてぐっときた。吉田戦車に料理のイメージは全くない感じなのに、自由な発想で思いつきのメニューを実際に作ってしまう腕には正直驚いた。私よりよっぽどちゃんとした基本を持っている...気がする。あんまり美味しそうに見えない写真と、味のあるイラストもすこぶるイイ。特に”おさるのじょーじ”が”すぱげってぃ”をむさぼっている絵にはノックアウトだ!かわいくなさすぎる。

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2012年9月20日 (木)

『左京区七夕通東入ル』

瀧羽麻子の『左京区七夕通東入ル』(小学館文庫)を読む。京都を舞台にした京大生(推定)の恋愛小説、ってところでもう既に夢のシチュエーション故におなかいっぱい。京大でも文学部の女子なら、こんなに小洒落た娘もいるのね(偏見です)。この小洒落女子・花ちゃんが恋をする理学部数学科の男子(やっと若干のモリミー臭)がちょっと変っていて、とにかくほっとくと数学に没頭しちゃうっていう、俺のような凡人にはよくわからん人物。よって花ちゃんの恋のライバルは数学...って共感しづらいわ!ま、たぶんやっかみですけどね。

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2012年9月19日 (水)

『任侠学園』

今野敏の『任侠学園』(中公文庫)を読む。前作『とせい』で出版社再生に挑んだ、義理人情を重んじる正統派ヤクザ・阿岐本組が、今回は潰れかかった私立高校を建て直す!っつうマーヴェラスでファンタスティックな任侠小説。荒みきった学園にヤクザよりタチの悪い生徒、無気力な教師、モンスターペアレントと、これでもかの状況に風穴を開ける阿岐本組の立ち回りを見よ!すかっとして後からほろり。唐獅子株式会社とかプリズンホテル系のチャーミングなヤクザが活躍する話は大好物なんす。ある意味ファンタジーかもしれないけどね。大事なことはみんなヤクザから教わった。なんてな。

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2012年9月18日 (火)

『もしもし下北沢』

昨日の『悪の教典』の苦味を緩和するべく、よしもとばななの『もしもし下北沢』(幻冬舎文庫)を読む。決して全面的に癒される話でもないのだが、でもじんわりとからだの隅々まで効いた。いきなりな喪失感の中から少しずつでも再生していくみたいな話は、よしもとばななの真骨頂かも。「人を殺すのも人だが、人を救うのも人の力だ」という、如何ともしがたい闇のなかに確かに見える力強い光。特別なことではなく、誰の日常にもきっとある光。だから絶望することはないよな!と思えてくる。それにしても本書に出てくる下北沢の街がとっても魅力的。「レ・リヤン」の麦のサラダがすごおおおおく食べてみたい。

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2012年9月17日 (月)

『悪の教典』

貴志祐介の『悪の教典』(上下巻・文春文庫)を読む。生徒から絶大な人気を誇る爽やかイケメン教師・蓮実の、まさかの正体とは!?みたいな、もうほとんどホラーだホラー。こええええ。イヤな話だわーと思いつつ、でも全然やめられませんでした。こんな邪悪な話を夢中で読んでしまう自分は、もしかしたら根っこの部分が悪なのか?なんて若干後ろめたくすらなってしまい、変なところで必要もなく落ち込んだ。どうしてくれる。そしてこれ、三池崇史で映画化なんだってね...最強の監督を得て、ハスミンが更なるモンスターになること間違いなし。伊藤英明のハスミンもむのすごいはまり役な気がして、嗚呼こわいのもみたさで観ちゃうかも。

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2012年9月16日 (日)

『私は古書店勤めの退屈な女』

ひっさしぶりに自分のブログを見てみたら背景が雪だった...。逆に涼しい?嗚呼半年以上も放置してたのね。まあ色々あった、ような。何もなかった、ような。しかし、たかが半年、されど半年で、読んだ本が相当溜まってしまった!一応記録して片付けないとネ☆と思ってようやく重い腰をあげた次第。ぼちぼち書いていく。
つうわけでカムバック第一冊目は中居真麻の『私は古書店勤めの退屈な女』(宝島社)。タイトル、素晴らしい。「暮しの手帖」みたいな装丁も可愛い。そして”退屈な女”と自嘲する主人公・波子さんの人生は、タイトルに反してなかなかに波乱に満ちているのであった。夫の上司との不倫の恋におち、当然夫ともぎくしゃくで悩める日々。なんていうとさぞかしどよよんどろどろした重い話か!と思いきや、アルバイト先の古書店の店主・小松さんとのやりとりがくすくす笑えて、そこはかとなく面白いんだな。いいなあ小松さん。単なるハゲちらかったおっさんなんですけどね。しかし脱力しきったような会話の中に、時々どきっとするような鋭い言葉があったりして油断できない。もう波子さんにシンクロ。今ならエヴァに乗れるくらいのシンクロ率。「あの男のことが好きだったのは、私の愚かさと弱さなのだった」とかそーゆう分析にも泣き。タイトル買いは大成功です。

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