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2011年1月

2011年1月31日 (月)

『なぜ絵版師に頼まなかったのか』

北森鴻の『なぜ絵版師に頼まなかったのか』(光文社文庫)を読む。明治元年生まれの書生さんと、東京大学医学部教授・ベルツ先生(実在の人物)が諸々の難事件を解決する、みたいな明治ミステリ。表題作もそうだけど、各章のタイトルにくすりとさせられる。文明開化ものって、時代の勢いに乗ったむちゃくちゃな感じとか、新しいものをばんばん取り入れつつも若干の迷いもある混沌としたあの独特の雰囲気が大好物で結構せっせと読むのだが、事件的にはとびきり面白いものにあたらないような...。

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2011年1月30日 (日)

初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」

そういえば一週間経ってしまったけれど、先週の日曜日は国立劇場へ初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」を観に行った。毎年恒例の菊五郎劇団祭です!200年ぶりの復活という演目らしいが、そうゆうものを発掘してかけるという菊五郎さんのチャレンジャー精神はすごいなあと思う。面白いかどうかっていうのはまた別の問題なんすけどね☆話がちょい込み入ってるんだけど、菊ちゃんの妖艶な宙乗りとか、スペクタクル土蜘蛛とか、大立ち回りとか、見所は満載。今年も撒かれた手ぬぐいは頂けませんでした。まあそんなもんか。
終演後は友人カッパと新年会(またか)。天才・右近ちゃんの今後継ぐべき大名跡の話など、頼まれもしない梨園コンサルティング会議をしながら飲むお酒は大層旨いっす。今年もこんな感じの観劇道楽を目指したい。

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『虚栄の肖像』

北森鴻の『虚栄の肖像』(文春文庫)を読む。花師と絵画修復師という二つの顔を持つ男・佐月恭壱シリーズ二作目。前作の『深淵のガランス』を読んだ時、イイ男ではあるがあまりにも可愛げのない感じがちょっと...と思ったんだけど、本作ではその謎に包まれた過去やなんかがちらちらと垣間見られたりして俄然面白くなってきた!修復の報酬で預けられた古備前、藤田嗣治の修復と昔の恋人との再会、緊縛画と謎の絵師。どれも一筋縄ではいかない濃厚な話になっております。海千山千のつわものどもの裏の裏の裏をかいた化かし合い、如何ともしがたい複雑な人間関係の糸に絡め取られそうになりながらも、己を貫く佐月の姿勢が”可愛げのない感じ”で片付けられず。浅はかなおさるを許してたも。彼のこともっと知りたいわ☆なんて思っても、もうこの先は読めないんですね....今更ながら、北森鴻の早すぎる死が残念でならない。

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2011年1月23日 (日)

『道具屋殺人事件』

落語つながりで、愛川晶の『神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件』(創元推理文庫)を読む。帯にあるように、”落語でサゲて「事件」も解決”が肝なのかもしれないが、ミステリとしてよりも落語まわりのことが詳しく書かれているのを楽しんだ。道具のことやいろんな隠語、落語界のしきたりなどなど、私のような素人にとってはそのあたりが大層面白かった。また落語に行きたいなー。にしても落語ミステリって結構あるよね。梨園ミステリももっとあったら良いのに。若手義太夫&三味線の探偵コンビが、ベテランおじいちゃん役者(権一的な)の力を借りて先輩ROCK YOU世代御曹司の失踪事件を追う!みたいな。完全に己の趣味だがあまりに小粒か。そして落語と全く関係のない締めで、お後がちっともよろしくない。

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2011年1月20日 (木)

『こっちへお入り』

平安寿子の『こっちへお入り』(祥伝社文庫)を読む。ひょんなことから落語を習い始め、あれよあれよと言う間に落語の世界へのめりこんでいく33歳OLちゃんのお話。ひとつのことがきっかけで、世界がここまで変わるとは!みたいな、新鮮な驚きに満ちた傑作。もっと知りたい、もっとやりたいと思うことのパワーとか、落語目線で見る世の中が違って見えてくる感じとか、んもう読んでいるだけでわくわくしてくる。主人公の江利が、小三治を知った今の自分について思う、”「知っている」と「知らない」の間には、何億光年もの距離がある。知るというのは、光の速さで遠くまで飛ぶことなんだ。”と言う言葉にはちょっと泣けてきた。いいなあ。何かやりたい、でもきっとこのまま何にもしねえんだろうなーっていうめんどくさがりぃの俺様にとっては眩しかったデス☆日々を倦んで暮らしている女子の皆は読んだらいいと思うよ。

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2011年1月16日 (日)

映画『相棒 劇場版Ⅱ』

2011年の邦非映非連(邦画に非ずんば映画に非ずの気骨で邦画をこよなく愛する連合)活動の第一発目は、映画『相棒 劇場版Ⅱ警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』であります。案外相棒好きなんで☆頭脳派と肉体派のバランスが良かった亀山君時代もいいけど、ダブル頭脳派の今もお気に入り。基本クールなのに時折うっかりアツくなるミッチーに萌えるぜ。つうわけで劇場版Ⅱですが、警視庁内で幹部12人を人質にとり籠城する事件が起こり、犯人は射殺されるも関係者は全員口を閉ざし、事件のほんとうの真相は闇の中。例によって特命係が独自に捜査を行い、紆余曲折あってたどり着いた真相は...!みたいな話。テロとか公安とかキナ臭い物件は絡むのだが、今回は基本警察内部の政治的な攻防戦のようであり、しかもおっさんばっかりなので(そこが良いのだけど)、大詰めあたりでついうとうとと。しかし驚愕の?ラストではしっかり驚愕した。えええええ。終わった後に観られなかった部分のことを連れ合いに質問したら、「なんで今観たばっかりの映画について説明しなきゃならないんですか!」と怒られた。まあ確かに...。自由劇場バカにとっては大森博史さんが東大出のキャリア役で出ていたのが嬉しかったわー。東大出に見えるっちゃあ見えます。素敵です☆

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2011年1月15日 (土)

『十二夜』再び

金曜の夜、またまたシアターコクーンへ『十二夜』を観に行く。実は先日観た折にはあんまり乗れなかったのですが、今回はなんだか楽しめた!わたくしにとって串田芝居は二度目からか?まああれから10日ほど経っているので練られたっていうのもあるのかしら。冗長的に思われた歌や見世物小屋的なシーンなんかも、あやしげで浮かれぽんちで時々心もとないほどに胸がつまって、ごちゃごちゃした感じがうまいこと転がっていた気がします。えー褒めすぎ?シザーリオ(男子に扮した実は女子の松たか子)にあけっぴろげに恋するりょうさんがほんとにかわゆらしい。恋心を隠しつつ、時に乙女がほとばしっちゃうシザーリオもいとおしい。元劇団四季の人(石丸幹二)、シザーリオが骨抜きになるのも致し方なしな説得力のあるかっちょ良さ!二枚目の上に歌もサックスもうまくて、劇団四季ってすごいんですね、と今更ながら感嘆する。元自由劇場の面々は全員大好き!これはもうえこひいき。去年から大森さんや小西さんを沢山観られてほんとうに嬉しい。しかも皆が一緒にいるのが、それだけで嬉しい。

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2011年1月14日 (金)

『望みは何と訊かれたら』

毎年楽しみに読んでいる、本の雑誌増刊「おすすめ文庫王国」を最近になってやっと吟味。今年もベスト10には読んだ本一冊もありませんでした。恐るべし本の雑誌。それがしもまだまだでござるな。つうわけで早速、吉田伸子が選ぶ恋愛小説ベスト10の中から、ダントツ1位だという小池真理子の『望みは何と訊かれたら』(新潮文庫)を読む。パリのギュスターヴ・モロー美術館で30年ぶりに再会した男女、っていうところのみに惹かれた(あの美術館が大好きなんで)のですが、そんな素敵な邂逅からは想像もつかんほど遠く離れた、凄まじく激しい話であった。学生運動に身を投じていた女子と、そこから逃走した際に彼女をかくまう男子の極限状態での奇妙な生活。途中色々気持ち悪くなったにもかかわらず、不思議と読むことをやめられなかった。好みの小説ではなかったけれど、確かに読み応えはずっしり。うーんでもやっぱりよくわからない。しかしなんだかいつまでも引きずってしまうのであった。

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2011年1月12日 (水)

『PRIDE』

石田衣良の『PRIDE 池袋ウエストゲートパークX』(文藝春秋)を読む。IWGPシリーズも10冊目!そしてこれにてちょっとお休みなのかな?マコト登場から10年が経ち、タカシさんもいつまでも池袋のガキの王様ってわけにもいかないのかも...。そんな一抹の寂寥感をうっすら漂わせつつも、相変わらず旬なトラブルをかっちょよく片付けていくマコトであります。今回帯にもあるように、”マコト、恋におちる。”がトピックスか。非道な暴力にあいながらも、そこから立ち直ろうとする強い魂を持ったリン、マコトが惚れるだけの魅力的な女子だ。生きていると思いもよらない理不尽な出来事やヒドイ目にあってしまうこともある。でも必ず救いの光もあって、その光を信じたい。陳腐な感想で恐縮ですが、勇気をもらった気がします。やっぱり好きなんす、IWGP。

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2011年1月11日 (火)

浅草歌舞伎・第二部

成人の日は友人カッパと浅草。もうすっかり成人のおかん世代だなー、と振袖姿の娘さんたちに目を細めつつ、せっかくなので浅草寺で初詣。茶色くて揚げたもの(揚げ饅頭)を買って浅草公会堂へ。わたくし、案外初めての浅草歌舞伎なんですの。若手のチャレンジャー公演かと思ってましたら、中堅どころの磐石な舞台だったので吃驚。すみません。特に亀治郎のパワフルで楽しそうな芝居に惹きつけられた。早替りも楽屋落ち的なお笑いも水入りも全部かっさらって亀治郎祭。すげえ。個人的には「壺坂霊験記」で蔵太夫さんを拝見できたのがすこぶる嬉しかった☆年始早々シアワセ。うふ。終演後は茶色くて揚げたもの(天ぷら蕎麦)とビールでささやかな新年会。E蔵さんのこと(何故かイニシャルトーク)や今後の観劇計画などについて語り合う。嗚呼道楽っていいなー。呑気。

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2011年1月10日 (月)

『十二夜』@シアターコクーン

観劇初めは串田さん演出の『十二夜』。先週のことですが。松たか子が一人二役で話題だが、我々往年の自由劇場ファンにとっては元自由劇場の面々による公演っていう位置付け。つうわけで同じく自由劇場バカの友人カッパと張り切って観劇。船の遭難で離れ離れになった双子の兄妹の周りで、片思いやらいたずらやら様々な思いがこんがらがっていく、みたいな話。舞台は全体的に見世物小屋的な、大道芸的な、ティンゲル・タンゲル的な、串田さんが好きそうな感じー。リアルと夢うつつの境がわからない、不思議な世界に時々こちらも夢うつつに...。デティールにこりすぎて、どおおんと引っ張る力強さがなくって惜しいみたいな?あ、串田ワールド好きなんですけどネ☆りょうさん綺麗。いいなあ!ああゆうスレンダー美人。しかし荻野目慶子さんはなんつうかすごかった。何もヤバいことはしていないのにちょっとヤバい雰囲気濃厚で目が離せない。でもすこぶるかわゆらしい。何だあの人。松たか子はそつなくうまい。終盤の二役ぶりはある意味新鮮!まさかのそんな手か。実はシェークスピアの『十二夜』は、菊ちゃんが歌舞伎でやったのしか観たことがないおさる。いちいち、この役は團蔵さん、この役は亀治郎ねとかカッパと確認するのが楽しかった。変な観劇方法だが、これもシェークスピア芝居の醍醐味か。とかテキトーなまとめでドロンします。

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2011年1月 9日 (日)

2010年版おさる的 Best book of the year

謹賀新年。...ってもう9日だよー。一体何日冬眠してたんだ?的な年始めであります。今年もだるだるな予感が...。いや、巻き返す!これから巻き返す!まだ間に合う、かも、しんまい(弱気)
つうわけで今更ですが、2010年版おさる的 Best book of the yearです。今回から別ウィンドウでなく、こちらでちゃっちゃと済ませることにした。ィヨロシクお願い致します。

        *  *  *  *  *

こんにちは、小雪です。ハイボールの美味しい一年でした。すみません小雪というのは詐称です。でも飲んでばかりいたのは相変わらず。休肝日という言葉は俺様の辞書からなくなったね。昨年から常勤で働き始めたこともあり、って言うのは言い訳だけど、更に飲んでしまいなんだかんだ色々あって、ふと気付くと近年稀に見る読書量の少なさだった。情けなし。しかし致し方なし。数少ない既読本の中から珠玉の10冊を今年も選んでみた。いつも通り、2009年12月から2010年11月末の期間中読んだ本からのセレクト、そしてほぼ読んだ順。今年はまっとうに暮らしたい(←書いてみただけ)。


  ●おさるが選ぶベスト10冊

    インスタント沼/三木聡(角川書店)

    名残り火/藤原伊織(文春文庫)

    クジラの彼/有川浩(角川文庫)

    映画篇/金城一紀(集英社文庫)

    写楽 閉じた国の幻/島田荘司(新潮社)

    ちょっと変わった守護天使/山崎マキコ(文春文庫)

    D列車でいこう/阿川大樹(徳間文庫)

    うぬぼれ刑事/宮藤官九郎(角川書店)

    ミーツへの道/江弘毅(本の雑誌社)

    うたうひと/小路幸也(祥伝社文庫)

 
  ●各種特別賞

    *号泣 of the Year : ピース オブ ケイク/ジョージ朝倉

    *男前女子 of the Year : エコノマという店をつくるまであたしの舌が覚えてきたこと。/中西麻衣子

    *センセ of the Year : 内田樹

    *ありがとう of the Year : 北森鴻 & ロバート・B・パーカー

今年のベストは何といっても『映画篇』。これはもう絶対!鋭意布教したー。周りで何人無理矢理読まされたことか。すみません。でもイイんです鉄板です。初めの話でうーん?と思っても次の話も必ず読んで!お願い。辛い話があっても、最後の話で救われるから。つうかほんとにええ話だから~。読んだ後、好きな映画について語りたくなるよ。そんな一冊。
三木聡の映画は、ジリ鈍の時に観るとぐっとくる。この正月も『亀は意外と速く泳ぐ』を再び観返して、むのすごく哲学的な気分になった。映画の原作『インスタント沼』もむちゃくちゃなのにじーんとする。俺だけかもしれんが。
『名残り火』は確かイオリン最後の長編。やせ我慢にならない男の美学。
自衛隊好き(←ちょっと隠したい)としてはド直球だった『クジラの彼』。『阪急電車』『シアター!』も良かったけど、京都よりも小劇場よりも自衛隊が好きだった俺、ってことか?
クドカン健在!を知らしめたうぬぼれ氏のシナリオ本は、噛み締めるほどに面白い。たぶん一番笑った本かも。嗚呼うぬぼれ氏のテーマが止まらない....

特別賞もちょっと少なめ(何しろあんまり本読んでないんす)。
『ピースオブケイク』はマンガだが、昨年いっとう泣いた。なんかシンクロして感極まった。恋する女子ってめんどくさい。バカバカ。
こんな料理本?読んだことねえ、みたいな本の著者・エコノマのマイちゃんはかなり強烈だった。未だエコノマは行かれてない。
単純な私は内田樹センセの本にいちいち目から鱗。しばらくはセンセの本で思いっきり啓蒙されたいわ☆
昨年残念だったのが、北森鴻とロバート・B・パーカーの訃報だ。いつまでも大好きな作家だ。ずっとずっと大事に読んでいきたい。


つうわけで長くなりましたが、昨年のまとめはこんな感じ。
今年もよろしくお願い致します。

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