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2009年8月

2009年8月31日 (月)

『ドラゴン・ティアーズ 龍涙』

石田衣良の『ドラゴン・ティアーズ 龍涙』(文藝春秋)を読む。池袋ウエストゲートパークシリーズも既に第九弾でありますが、よい意味での大いなるマンネリと常に新鮮なネタは最強のカップリングかと思われます。今回マコトの元に持ち込まれるストリートの厄介ごとは、池袋中華街構想や中国人研修生問題、ホームレス同士のきな臭い暴力沙汰、出会い系喫茶の純愛、キャッチセールスの甘い罠などなど。世知がらく生き辛いこの状況で、どれも問題の根は深くてやるせないけれど、どうにもならん間を縫ってそれでも何とかしようと走るマコトはやっぱり素敵☆いつも女っけがないところも好いたらしいっす!

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2009年8月30日 (日)

『肝、焼ける』

朝倉かすみの『肝、焼ける』(講談社文庫)を読む。主に三十代女子の肝が焼けるさまを描いた短編集。何と言いますか、そこまで書かなくても...な、泥臭いとこもある。でもまあ実際女ってこんな感じなのだ、と開き直ってしまおう。「コマドリさんのこと」とか結構痛かった。痛さが自分と重なって、ほとんど近親憎悪。ああやだやだ、とまで思ううまさ。「一入」が良かった。現状維持もしくは保留を信条とする男と付き合い続ける肝の焼け具合...わかります!!朝倉かすみラブのトヨザキ社長が解説を書いているので、伝わりにくい魅力はそちらで読んで頂きたい、と投げてみた。

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2009年8月27日 (木)

映画『南極料理人』

映画『南極料理人』を観る。山南さん(えーと、堺雅人?)目当てです。ウィルスさえ生息できない厳寒の南極ドームふじ基地で働く8人の男の物語。率直に言って、世の中にはいろんな仕事があるなーという感想。堺雅人演じる西村さんの仕事は、隊員のために毎日食事をつくること。あんな寒い場所で一体どんなものを食べているのか興味津々だったが、案外普通の食卓で吃驚。我が家よりも数段ゴージャスな料理を食べていたよ。まあ我が家のレベルは相当低いのだが。フードスタイリストは『かもめ食堂』『めがね』の人らしく、何か納得。とにかく男ばっかりのむさい空間で、時には誰かが爆発しつつも終始淡々と働いており、常に8人で逃げ場がないからこその無礼すれすれの気を遣わなさ加減がいい感じでした。高良健吾の素敵さをこっそり再確認。きたろうさんのラーメン大好きスマイルにもきゅん。

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2009年8月26日 (水)

第15回稚魚の会・歌舞伎会合同公演

昨日のことですが、国立劇場へ第15回稚魚の会・歌舞伎会合同公演(B班)を観に行ってきた。こちらもすっかり8月の恒例行事となっております。今回わしら的に楽しみにしていたのは『与話情浮名横櫛』、梅秋の切られ与三デスよ。彼がまだ本名だった時に演じた籐八っつあんを観て、そのうまさに唸ったのも未だ記憶に新しい気がしていたが、なんと今年は与三郎を!期待しつつも正直ちょい心配...とおばちゃんやきもきしちゃったわ。しかし、切れ長の目も凛々しい案外な(失敬)色男フェイス&二枚目ボイスでクールに熱演!心配御無用のうまさでした。こうなったらもう何年か後には梅秋のお富さんも観てみたい!と思ってしまう欲張りなわしらであった。なんつって梅秋のことばっかり書いちゃったけど、みなさん頑張ってはって普通に見ごたえ充分どす。この会は影ながらずっと応援していきたいどす。

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2009年8月23日 (日)

『無銭優雅』

山田詠美姐さんの『無銭優雅』(幻冬舎文庫)を読む。むむむ。むむむ。やられた!姐さん、やれらましたよ完璧に。私はこんな恋愛小説が読みたかったのです。42歳という、主人公の慈雨ちゃんと同じ年で、今この時期にこの小説に出会えたのも更にシンクロできてよかったのかもしれない。これも運命!と思う。心中する前の心持ちで付き合い始めた慈雨ちゃんと栄の、ばっかみたいなのに年を重ねた者同士でなくてはこうはいかん恋の日々。うらやましい、すばらしい。この人たちは何がほんとうに価値あることか、かけがえのないものってなんなのか、わかってる。一緒に楽しんで味わって、片方の持っているものをもう片方が自然と吸収していって、どんどん無敵になっていく。そんなことが詠美姐さんにしか書けないであろうやり方と言葉で綴られている。私は本にマーキングする習慣はないんだけど、もしあったらばんばん赤線引いて本が真っ赤になっちゃうくらいにぐっとくる文章が目白押しなんだ。色恋沙汰だけじゃなくて、家族のことも曰く言いがたい愛情をもって大事に描いているのもすこぶる良い。慈雨ちゃんが語るように、老いることに引け目なんか、もう感じる必要はない。年を取ることに悲観的な友人にも絶対言ってあげたい。というわけで読み終わるや否やもう一度読み返している『無銭優雅』。年寄りにしかできない優雅を味わおうぜ、同胞よ。

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2009年8月22日 (土)

夏の終わりのマンガまとめ

ほんとに飲みすぎな今日この頃、本を読んでもこんな泥酔状態では感想を書くに至らず。つうわけで諸々滞り気味。ここいらで最近読んだマンガをまとめておきます。二ノ宮知子の『のだめカンタービレ(22)』(講談社コミックスKiss)、のだめ、いきなりなデビュー!?的な展開で、色々あってちょっと泣く。のだめちゃんの才能の果てしなさに心が震えるも、どこか危なっかしい、取り扱い注意な感じにやきもきするね。アンドこんな千秋様は見たくない~。羽海野チカの『3月のライオン(3)』(白泉社)も感極まった!生きていく上ですっごく大事な、魂入った言葉を、こんなにもきちんと描けるすごさよ。泣いたよ。泣き二連発のあとは安心して笑える瀧波ユカリの『臨死!!江古田ちゃん(4)』(講談社アフタヌーンKC)。何でしょうかこの安心感...自分まだダイジョブ、とか思ってしまって御免よ江古田ちゃん。

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2009年8月18日 (火)

映画『アマルフィ 女神の報酬』

邦人を守るのが私の任務です、でお馴染みの映画『アマルフィ 女神の報酬』を観る。オールイタリアロケ、特にひねりもないいかにもなキャスティング、やたら多い番宣などから鑑みて、どうせ金に物を言わせたフジテレビ映画じゃろうて...なんていろんな意味でなめてかかってたら、案外面白かったので吃驚ですわ。ごめんねフジテレビ、と一応謝っとく。格好いいとこしか見せません的な織田裕二をはじめ、特にひねりもないと思っていたキャスティングも、とりあえず磐石の安定感っつうよい方向に転がっていた気がします。天海祐希は大好物だし、ちらっと出る福山くんにも有難味を感じるし、戸田恵梨香の舌打ちも最近いいなと思う。とにかくアマルフィという場所がすこぶるキレイ~。世界遺産なんすね。行ってみたいな。面白かったけどそんな軽いまとめでいいかな。

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2009年8月17日 (月)

今年も!真夏の夜の動物園

Flamingo_2その後更に上野へ移動。上野動物園の「真夏の夜の動物園」(開園時間が20時まで延長)、本日が千穐楽?であります。わしら的には入場料を払って不忍池のほとりでビールを飲む会となっているが、これも今年で三年目。すっかり夏の恒例行事になっております。実は鳥目のわたくしにとって、夜の動物園は当然暗いので結構見辛いの...。でもあんまり動物見てないからいいや、って感じでもうビールだビール。盛りだくさんな一日を反芻しつつ、そこそこムーディーに更けていくカッパとおさるの夏の夜であった。

申し訳程度の動物写真(フラミンゴだけかい) →

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八月納涼大歌舞伎・第二部

その後木挽町へ移動、歌舞伎座にて八月納涼大歌舞伎・第二部を観る。菊之助主演の映画でも記憶に新しい「真景累ヶ淵」、福さんの豊志賀が別の意味で怖かったよ~。これ黒木瞳がやった役だよね?と何度か自分の中で確認したほどに、印象が違った。怪談噺という感じはあんまりしなくて、結構ドリフっぽい面白みが。コワおもしろい的な?勘三郎さんに声が似てきた勘太郎、さすがにうまい~と思ってたら、途中出てきた勘三郎さんが(当たり前かもしれないけれど)更にうまくて、その”上には上が”感に唸った。でも二人してかっさらってたし、すげえ親子だ!とわくわくしました。「船弁慶」はちょっと苦手演目なんすけど、今回松也、巳之助、新悟、隼人の超若手家臣がきらっきらしていて良かったわ☆若い世代がカクジツに育っている頼もしさを感じました(年寄り)。納涼歌舞伎は長さも調度よく、充実した内容のわりにお値段も安いのでいいな。

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2009年8月16日 (日)

勝手に観光ポスター展

夏休みの原宿、ってもう考えただけでムキーーーーッ!と叫びたくなるようなところへ友人カッパとわざわざ行ってきた。なんとなれば、みうらじゅん&安斎肇による「勝手に観光協会」の初の展覧会「勝手に観光ポスター展」が原宿のギャラリーLAPNETSHIPにて今日まで開催されていたからです。勝手に観光協会とは、日本各地を頼まれもしないのに視察し、ご当地ソングをつくったり観光ポスターをつくったりして勝手に盛り上げようという素敵なユニット。今回は全都道府県のポスターと、二人の衣装や旅館録音場の再現なんかもあって、むのすごく楽しめた。記念に全ポスターが載ってるクリアファイルを買う。これ見ながらベストを選ぼうと思ったがかなり悩む。浜っ子的には神奈川県の「恋のスイッチバック!」を推したいが、大分の「地獄のエステティシャン」、香川の「ロンリーオヘンローラー」、富山の「そっとして富山」も好きだなあ。まあどうでもいいことかなあ。

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2009年8月15日 (土)

Girls ! Girls ! Girls !

Ckbcdクレイジーケンバンドのニューアルバムが出て、いよいよ夏が夏らしくなってまいりました。レコード会社移籍第一弾の『Girls ! Girls ! Girls !』、メジャーになってもCKBはCKBのまま、かっちょよく走り続けるぜ。海には行かないわたくしだけど、海辺のデニーズで太平洋見るのもいいなってうっかり思ってしまうし、ミニスカで(ウソ)マリンタワーにも昇りたい。勿論デーティングでね☆ちょっと夏って楽しい、なんて気がしてくるよ。”どんな辛いときも どんな苦しいときも この星には音楽があるんだ”って歌う剣さん...そうなの辛い時ってお酒も飲むけど音楽にもどっぷり頼っちゃうの。泣きながらリピート&リピート&リピートで「ガールフレンド」を聞いた今年の夏を忘れない。この星にCKBがいてくれることに乾杯☆(まだ飲むか)

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2009年8月14日 (金)

『愛罪』

五條瑛の『愛罪』(双葉文庫)を読む。革命シリーズもやっと五冊目、ってことは半分なのか。普通にやくざ同士の抗争ものっぽくなってるが、相変わらず登場人物は多く(しかも多国籍)、魅惑のお薬・ファービーだのいろんな要素が絡んできて物語はブ厚く複雑。甘ちゃんの日本人としては、いつの間にか油断出来なくなっているこの世界に唖然とするしかないです。美しすぎる悪魔・サーシャ様も特別出演程度の登場でおいしいとこを持っていく。「はたして愛という感情で幸せになっているか?」というサーシャ様の問いかけは重いッス。愛しすぎは罪...ですか。

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2009年8月13日 (木)

『宵山万華鏡』

暑くてだるだる。夏はやはり苦手...。なので?今日からまた夏休み。森見登美彦の『宵山万華鏡』(集英社)を読む。祇園祭の宵山に迷い込んだ人々、同じ夜を歩きながらそれぞれに起こる不思議な出来事。祭につきものの普通にわくわくする感じと、どこか日常でない怖さ、人がたくさんいるのにふっと沸き起こる孤独感...『きつねのはなし』系のひんやりタッチと『夜は短し』系の真剣バカ話風を行ったり来たりしながら、たぶんモリミーでなくては出せない味で妖しい宵山が描かれております。最後まで読んだらもう一度、あたまから読み返したくなる。そんな風にしてわたくしも宵山の迷宮に取り込まれているのやも...。

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2009年8月10日 (月)

石川五右衛門@新橋演舞場

昨日のことですが、新橋演舞場へ市川海老蔵の「石川五右衛門」を観に行ってきた。かねてから公言している通り私は音羽屋贔屓のハズなんだが、またもや結構な大枚を叩いて海老蔵さんを観に...「十二夜」は安いお席だったのに...等々、自分への疑問も軽く抱きつつ、さほど期待もしないで観劇に臨む。割と説明っぽい序盤、私はその説明すらよくわからなかったけれど、こんなに早く立ち回りしちゃって大詰めとかどーすんのかなあとぼやっと思う(そんな心配は全く必要ないことが後からわかる)。七くんの茶々はふんとにキレイ、そして石川五右衛門も持ってたイメージに反してなんだか美しすぎるー。泥棒らしいこともしてないし、これでいいのか石川五右衛門...このまま大詰めでダイジョブか?とまたもやぼやっと思って油断してたらあなた。スゴイよ大詰め!!詳しく言えないがめっさ面白かった。うひょーとかきゃーとか言っちゃった。指さして笑っちゃった。間違ったリアクションか?いやーでもここまで楽しませてくれたら文句ないよ。期待しないで御免海老蔵。確かに何かがある漢だね...。同行の海老バカ・カッパちゃんも勿論大喜びで、その後のお酒(飲み放題)もそりゃあ進むっちゅうねん。二人して撃沈。京急で熟睡して帰る。

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2009年8月 7日 (金)

『恋ばっかりもしてられない』

佐藤真由美の『恋ばっかりもしてられない』(幻冬舎文庫)を読む。タイトルとは裏腹な、子育てとか仕事とか忙しそうなのに恋しとるねモテるのね、とか、編集者で歌人ってありがちじゃんとか、難癖をつけたものの(うらやましいんだも)、ぱらぱら読んでいたら案外ぐぐぐっと掴まれるものがあったので即購入&即読み。いろいろ染込んだり、えぐられるものがありもうした。結構夢中で読んじゃったよ。エッセイよりもやはり短歌に凄味があった。「今すぐにキャラメルコーン買ってきて そうじゃなければ妻と別れて」っていう歌は聞いたことがあったのだが、この人の作品だったのか。この歌は好きです。

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2009年8月 4日 (火)

『瓦礫の矜持』

五條瑛の『瓦礫の矜持』(中公文庫)を読む。警察に恨みを持つ者たちが、組織を陥れるために計画を練り、虎視眈々と復讐の時を待つっていう話。復讐チームは職業も国籍も警察許すまじの理由もさまざまだが、そのバラバラな奴らがどんな風に目的に向かっていくのかが読みどころかな。公務員を監視する市民グループ的な団体の活動についても興味深かった。五條瑛の本はたいてい長編力作なので、何も考えずどっぷり浸かれるところが良い。

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2009年8月 2日 (日)

『東京公園』

小路幸也の『東京公園』(新潮文庫)を読む。写真家を目指す大学生・圭司が公園で撮影している時に出会った家族連れ。奇妙な依頼を受けて都内の公園を転々としながら撮影を続けるうちに見えてくる、その家族のそれぞれが抱えている思い。そして圭司自身が気付く自分の気持ちや、彼を巡る人々の優しい視線。人と人とのもろそうでそうでもない強い関係を、小路幸也ならではの言葉で大事に丁寧に描く青春小説です。やっぱり小路幸也はイイ。登場人物みんなイイ。私は富永ちゃんになりたい。”私が好きな人たちみんなが幸せになれる方向へ”動けるような、富永ちゃんになりたい。何か毎日泣いてばっかり。

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2009年8月 1日 (土)

『夏の口紅』

樋口有介の『夏の口紅』(文春文庫)を読む。15年前に家を出た父親が死に、残された形見を受け取った大学生・礼司が、その意味と消息不明の姉の行方をさがすひと夏の話。樋口有介らしい、暑くてせつない夏の青春小説となっております。彼の描く男の子は、ちょっと皮肉の効いたしゃべり方で女性にもてて何か基本冷静でいつも余裕をかましている小憎い奴、っていうのが定番だが、礼司くんもその系譜。年上の恋人や一風変わったとびきりの美少女に翻弄されながらも結局最後のとこは曲げないんだよな。勝手気ままにやってるように見えても譲れない一本が通っているから、ひとのルール違反を許せないのもまあ説得力はあるか。ほんと可愛くない、けど憎めないのね。ちっ。

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