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2008年6月28日 (土)

『さくら』

売れている本を今更読んでみようシリーズ。今回は西加奈子の『さくら』(小学館文庫)。売れている本を今更ながら読もうとするにはそれなりのきっかけがないとなかなか動けないもので、本書は友人が絶賛し今年のナンバー1と決めていたから。実はどこかで泣けるという紹介をされていてちょっと敬遠していたんだ。泣ける本ていう薦め方はアレだね、って自戒を含めて思う。とにかく、スバラシイ家族小説!家族って確固たる強い絆があるようだけれど案外もろかったり、ばらばらになりかけても意外とひょんなことから復活したり。それはシアワセな時代も辛い日々も一緒に過ごしてきた家族だから出せる底力、なのかな。物静かだが皆を包むようなお父さん、明るくてずっとお父さんに恋するお母さん、みんなのヒーローであるお兄ちゃん、頑固で強くて美しい妹、そして犬のサクラ。まんなかの僕が語る長谷川家の日々は、キラキラしていていつもあったかく、絶望的に悲しくて悲しくてどうにもならないことが起こっても静かに薄く光が見えてくる感じ。嗚呼世界は美しくて貴いのですね、お父さん。

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