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2007年6月10日 (日)

『前巷説百物語』

ここ数日、少しずつじわじわと読んでいた京極様の『前巷説百物語』(角川書店)やっと読了。直ぐにはこっちの世界に戻れそうもない程にどっぷり浸かったわ...。巷説百物語シリーズは、直木賞受賞作でもある前作の『後巷説百物語』でこれ以上ないってくらいの美しい終わり方をしていたこともあり、”前”!が出たから吃驚した。なるほどこの手があったか的な、スターウォーズ風に言うとエピソード1?まあスターウォーズを知らないわたくしとしては、映画『ヤング・シャーロック』を当てはめてみた。わかりにくいか。まだ若くて青臭い小股潜りの又市が、損料屋に持ち込まれる厄介ごとを仲間達とともに巧みな仕掛けで始末をつけていく。ひとつひとつの事件が納まるべきところに納まるさまは相変わらず見事。妖怪に絡めたちょっとユーモラスな仕掛けに油断していると、いつの間にか深刻な話になっており...。若き日の又市の、江戸っ子らしいケツのまくり様や威勢のいい啖呵もイカすのだが、迷ったり恐怖する姿もなんだか新鮮であった。後にすっかりお馴染みになっている御行姿を最初に又市が見せた時、図らずも号泣した。今これを書いているだけで泣きそうっす。京極堂シリーズで挫折した貴兄も、巷説シリーズは全部読むといいよ。

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