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2007年6月

2007年6月28日 (木)

『菊五郎の色気』

長谷部浩著『菊五郎の色気』(文春新書)を読む。成田屋さん関係の本があまた存在する中、菊五郎さんちのは今まで読んだ事がなかったので大喜びで入手。口絵の写真もスバラシイ。七代目のみならず代々の菊五郎を遡って語られ、女形から立役まで幅広い役柄をその物語とともに追っていくので、とにかく情報量がわたくしにとっては多く、勉強させてもらいます的に読んだ。観た事のない演目(これがまた案外多いのよ)に関しては結構な修行でありました...。結局菊五郎さん自身はあまり語っていない気がしたが、その分しのぶ姉さんが唸るほどに見事で賢く明晰な発言をしていたのがさすが!菊之助の生真面目なコメントも悪かろうハズなし。更に沢山歌舞伎を観て、その都度戻って読み直したい所存です。とりあえず来月の十二夜が楽しみ。

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2007年6月27日 (水)

『桜花を見た』

宇江佐真理の『桜花を見た』(文春文庫)を読む。実在の人物を描いた中篇5つ。江戸を舞台にした最初の3篇はやっぱり活きが良くて断然イイ。表題作は、遠山の金さんに隠し子がいた、っつう話。泣いたね。テレ朝あたりでスペシャル時代劇になんないかな。スペシャルなので、この時ばかりは金さんは高橋英樹ではなく村上弘明で...。北斎の娘の話、歌川国直の恋の話も、一行目からお江戸に入り込める気がするが、著者がこだわる松前藩絡みの話はどうも苦手。その土地への愛は伝わるけれど、申し訳ないがいつもあまり乗れないのであった。やっぱり宇江佐真理は江戸希望。

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2007年6月26日 (火)

『串田戯場』

串田和美の『串田戯場』(ブロンズ新社)を読む。先日赴いたコクーンで串田さんにサインをもらった本。コクーン歌舞伎のそれぞれの演目について演出家自ら語ったもので、観てない演目でもすこぶる興味深く夢中で読めた。歌舞伎を演出するということは素人が考えても途方もなく大変なのだろうと想像できる。多分何か新しい試みをする度に、それは歌舞伎じゃないとかさんざん言われるんだと思う。私のようなまだ歌舞伎歴の浅い輩でも、あの演出はどーなのよとかえらそうなことを言ってしまいがちだもの。でも串田さんは言う、”「歌舞伎はこういうもの」と決めつけてしまっている観客の感受性を新鮮に揺さぶるために、したたかな計算が必要なんだ。さらにその表現方法のもっと先、延長上にあって、さらに過激な表現を見つけるのを、僕は楽しんでいる”と。古いものをそのまま忠実にやり続けるのも大事だけど、新しい風を入れていくのも腐らない為には必要なのかな。そして当の歌舞伎役者も面白がってそれに乗るっていうのが一番問題なのだろうが、その点勘三郎さんの存在はやっぱり貴重なものなのでしょうね。串田さんも勘三郎さんも、筋金入りの芝居バカなんだなあ!(勿論褒めてます)とその辺りもなんだかじいいいんとする一冊であった。

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2007年6月25日 (月)

六月大歌舞伎・昼夜

六月大歌舞伎を昼の部・夜の部一気に観る。凄い、自分史上一番寝た!!全部起きていたのはあの爆睡必須の『船弁慶』だけだったという、オドロキのラインナップ。驚いている場合じゃない、本当に御免なさい。妹背山では両花道を使い、真中を吉野川が流れているっていうのが面白いなと思ったケド何しろ長くてもたなかった。歌っていたはずの葵太夫さんが、うとっとしている間に綾太夫さんに変身していたのは吃驚した。とにかく何ともいえない後味の話だったな。自分の理解力のなさにもほとほと呆れたし。これがいつかわかるようになるのだろうかと思うも、今のとこ全くわかる気がしねえ。一番の楽しみだった加賀鳶、a lot of 鳶の場面はほんの一瞬だったので覚醒もほんの一瞬。いやー鳶ってほんとにいいものですね☆鳶写真をまた買い込む(後ろに新七さんが写りこんでいるもの)。染五郎長男はかなりかわゆらしい顔立ちだった。2歳でアレはたいしたものだ。弁慶の六法をやっていたよ。『船弁慶』は男女蔵と、芝雀さんの後見・京珠くんが良かった。そんな鑑賞ポイントですまん。
しかし申し訳ないくらいに寝てしまった一日であった。エコノミークラス症候群になるかと思ったぞ。悔い改めますので今回は許して下さい。

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2007年6月23日 (土)

世田谷パブリックシアター『国盗人』

世田谷パブリックシアターへ『国盗人』を観に行く。シェイクスピアの『リチャード三世』を狂言的手法で描く、っつう野村萬斎主演&演出の萬斎アワー。元自由劇場の大森さんが出演するのも嬉しいが、本日の注目は文学座の今井朋彦さん☆そう、大河ドラマ「新撰組!」で15代将軍を演じ、一部でカマキリ将軍(略してカマショー)と言われて絶賛され、CMでは♪小さいけれどー部屋一面消臭、消臭プラグー♪と歌い踊る将軍でお馴染みの上様である。なんかむのすごい好きなんすよねー。声とカツゼツがべらぼうに良くて、実物もめっさステキだったさ。もうそれだけでオールオッケー!ストーリーは、シェイクスピアなのでとにかく死にまくり。白石加代子さんは呪いまくり。こええ。最初に白石さんが登場して客席を睥睨した時に、「ね、寝たら殺される...」と本気で思った。寝ちゃったけどね☆というわけでなかなかチャレンジャーな試みのこのシリーズは、また観たい!と思わせる確かなものがあったことだよ。

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2007年6月20日 (水)

『ヘビイチゴ・サナトリウム』

ほしおさなえの『ヘビイチゴ・サナトリウム』(創元推理文庫)を読む。女子校を舞台にした青春ミステリ、っつうことだったので青春ミステリ好きとしてはおさえておかないと、と思い手にとった。しかし女子校を舐めていたぜ...過剰な自意識と他者への憧れとがぐるぐるどろどろ、自分でもよくわからなくなっちゃって、疑問は山ほどあるのに答えは全く見えなくてそれはもう大変なあの季節。通ってきた道だからわかる(い、痛い?)。そんなこんなで腰も引けつつ読んでいたからか、込み入った謎にややついていかれず。元祖・乙女?の久美沙織嬢の解説みたいなのが随分と的を得ていて、さすが乙女だーと思った次第です。

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2007年6月19日 (火)

『のだめカンタービレ(18)』

二ノ宮知子の『のだめカンタービレ(18)』(講談社)を読む。先週出たらしい新刊、今になって読むやる気のなさはどうしたことでしょう。ここんとこだいぶ凪な感じが続いており、そろそろもうひと波乱あってもいいのでは的な?でも普通には面白いデス。ぎゃぼん。

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2007年6月18日 (月)

『三人目の幽霊』

大倉崇裕の『三人目の幽霊』(創元推理文庫)を読む。落語界周辺を舞台にした日常の謎系ミステリって言うんですか。「季刊落語」の駆け出し編集部員・間宮緑が遭遇した寄席での騒動やなんかを、洞察力のスルどい編集長・牧が解く。最近落語にもやや興味があるので、その世界に触れられるのが謎解きよりも面白く感じられる。相変わらず落語の落ちにはきょとん?なのだけど...。まずは顔見世、といった感の本書なので次の長編『七度狐』に期待しています。

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2007年6月17日 (日)

『恋するKABUKI』

辻和子さんの『恋するKABUKI』(実業之日本社)を読む。歌舞伎の登場人物が現代の言葉で心情を呟くという趣向はどうなのかなーと思ったけれど、読んでみるとこれがすこぶる分かりやすかった。まだまだ話の飲み込みが悪いわたくしには助かる一冊。観た事をすっかり忘れているけどこの話なんか知ってるわ...的なものも結構あって、思ったよりも自分歌舞伎観てる?まあ忘れてたら意味ないかね。確か今月歌舞伎座で観るハズの妹背山の予習もできましたことよ。最後の方にある”恋する役者”という、役者についてコメントする頁で、しょっぱなに海老蔵を持ってくるというのはやはり海老蔵贔屓ということなのか。アンド菊之助のことは一言もないが好みではないのかな。うーん残念。

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2007年6月16日 (土)

『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』

先日に引き続き、小路幸也の『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン』(集英社)を読む。イイ!やっぱしイイわ。予定調和の善人ドラマという向きもあるかもしれないけど、世知辛い昨今、せめて小説の中だけでもこんなほっとできる世界があったっていいんじゃないかなー。そして堀田家の面々のいろんなラブに触れたなら、そのラブは読んでいるわしらをもちょっとずつ変えてくれそうだ。末永く、堀田家の物語を読みたいと強く願わずにいられない。

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2007年6月15日 (金)

『東京バンドワゴン』

先日読んだ『空を見上げる古い歌を口ずさむ』が結構良かったので、今更だが話題の『東京バンドワゴン』(小路幸也著/集英社)を読んでみた。イイ!!もっと早く読めば良かった~。でも今からでも遅くない!面白うて時々ほろり(ぽろりじゃないよ!)の、上質な人情家族小説に君もやられてみないか。舞台は明治から続く下町の古書店・東京バンドワゴン、同居する四世代大家族の賑やかで何かと起伏の激しい日々はまるで往年のホームドラマを彷彿とさせる味わいだ。昭和の頑固オヤジそのまんまの店主79歳、その息子は齢60にして何かと落ち着かない伝説のロッカー、長女は画家で未婚の母で...と、登場人物もひとりひとりふるっており、大人数なのに誰一人埋もれずにイキイキしているところがスバラシイ。ご近所さんとの付き合いもわずらわしい時もあるけど概ね親密で、ちょっと前の日本てこんなだったよねーみたいな懐かしさ。語り手にもひと捻りあって、とにかくハートウォーミング☆たまにはこんなええ話に身をゆだねるのも新鮮だよ!つうわけで最近出た続編も即買いだ。

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2007年6月14日 (木)

コクーン歌舞伎『三人吉三』

シアターコクーンへ『三人吉三』を観に行く。友人カッパのおかげで本日は前から二番目、附け打ちさんの真横で臨場感いっぱいのお席だが、やはり狭くて色々と難儀ではあるなあ。しかしそんな脚の痛さ不自由さもいつの間にか吹っ飛ばしてくれるのがコクーン歌舞伎。『三人吉三』を通しで観たのは初めてだったのですが、複雑ながらもうまーく繋がっている因縁にとにかく吃驚した。すげえ話だ...。かような込み入った話のとっかかりとしてコクーン歌舞伎はうってつけだと思うけど、通常の歌舞伎でもぜしきちんと観てみたいものです。個人的には弥十郎さんが出てなかったのがやや残念、でも芝のぶちゃんの凛々しくもキュートな捕手姿を拝めたのでオールオッケー☆カーテンコールでもきゃっきゃしててふんとにかわゆらしかった。あと新刊を出版した串田さんがロビーにてサイン会をやっており、つつがなくサインをしてもらってかなり感激。自由劇場の時サインもらったことあるじゃん、とカッパに指摘されるまで忘れてたけど。もう20年近くも前のことなんすね...そんな時の流れにも案外吃驚。

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2007年6月12日 (火)

『かまわぬ 手ぬぐい百科』

『かまわぬ 手ぬぐい百科』(河出書房新社)を読む。”383のキーワードで楽しむ手ぬぐい事典”ということですが、昨年出た『かまわぬの手ぬぐい使い方手帖』と内容がだぶるところ多々アリ。それでも少しずつ新柄があったりするので、やっぱりかまわぬ好きとしてはふらふらと手を出してしまいそうな一冊やね。

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2007年6月11日 (月)

映画『憑神』

またまた友人から試写会のチケットを頂いて、とーっても観たかった映画『憑神』に行ってきた。うーん、自腹じゃないのであまり文句は言えないが、終始残念な感じ...。何がマズいのかを考え出すと、映画にする必要あったのか的な身も蓋もない結論になりそう。いっとう気の毒だったのは、主人公・彦四郎の駄目兄ちゃん。小説ではぐっとくる見せ場があったのに、映画ではもうまるで駄目なだけの人にされていたのであった。しかしその駄目な人をやらせたら佐々木蔵之介は非常にうまい!ので、彼に関しては結果オーライなのか。嬉しかったのは斬られ侍・福本清三さんがちらっと出演していたこと。福ちゃんに500円、と思ったけど今日はタダ映画でしたね。すまん。

Shougun_1
徳川慶喜もご登場。
つうわけで品川エキュート内のサザコーヒーにて
徳川将軍珈琲を購入。
15代将軍が飲んだ珈琲を再現しているらしい。
アンド慶喜公のひ孫さんが焙煎してはるらしいよん →

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2007年6月10日 (日)

『前巷説百物語』

ここ数日、少しずつじわじわと読んでいた京極様の『前巷説百物語』(角川書店)やっと読了。直ぐにはこっちの世界に戻れそうもない程にどっぷり浸かったわ...。巷説百物語シリーズは、直木賞受賞作でもある前作の『後巷説百物語』でこれ以上ないってくらいの美しい終わり方をしていたこともあり、”前”!が出たから吃驚した。なるほどこの手があったか的な、スターウォーズ風に言うとエピソード1?まあスターウォーズを知らないわたくしとしては、映画『ヤング・シャーロック』を当てはめてみた。わかりにくいか。まだ若くて青臭い小股潜りの又市が、損料屋に持ち込まれる厄介ごとを仲間達とともに巧みな仕掛けで始末をつけていく。ひとつひとつの事件が納まるべきところに納まるさまは相変わらず見事。妖怪に絡めたちょっとユーモラスな仕掛けに油断していると、いつの間にか深刻な話になっており...。若き日の又市の、江戸っ子らしいケツのまくり様や威勢のいい啖呵もイカすのだが、迷ったり恐怖する姿もなんだか新鮮であった。後にすっかりお馴染みになっている御行姿を最初に又市が見せた時、図らずも号泣した。今これを書いているだけで泣きそうっす。京極堂シリーズで挫折した貴兄も、巷説シリーズは全部読むといいよ。

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2007年6月 8日 (金)

『日本殺人事件』

山口雅也の『日本殺人事件』(創元推理文庫)を読む。日本に憧れる私立探偵トーキョー・サムが、サムライ・スピリットの息づく神秘の国・日本で次々と遭遇する事件の謎を解く。勘違い外人によって書かれたミステリ(の翻訳物)という体裁で、奇妙なハラキリ、茶室密室殺人、花魁の見立て連続殺人などなど、ていうかここは何処だ?いつの話だ??的な事件の、いかにもな設定は面白い。無駄に深い日本への洞察とか勝手な理解も笑える。しかし私は山口雅也のキッド・ピストルズ@パラレル英国のシリーズに乗れなかった過去があるので、トーキョー・サムもちょっと...。続編もあるらしいが読むかどうかは微妙。

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2007年6月 5日 (火)

If I were 小雪

昨日の夜中、大人計画の宮崎吐夢と伊勢志摩をメインMCに起用しているテレ東ならではのチャレンジャーな番組「モテケン」を見ていたら、豊崎由美が出ていた。トヨザキ社長の、「小雪みたいなルックスだったら本なんて1冊も読んでねーよ」的な発言にちょっと涙。アンド親近感。少しだけトヨザキ社長が好きになった。私もそんなクチなんで...。
この番組見てると宮崎吐夢をうっかり愛してしまいそうになるんだよな。と告白しつつ、読書中の本が終わらないのでこんな話題でお茶を濁してみた。

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2007年6月 4日 (月)

私がエテよ

Ete
 ハロー、エテ吉です。
 いつも携帯電話にぶら下がってます。
 干し首じゃないよ!ウキー

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2007年6月 3日 (日)

『ほとばしる副作用』

辛酸なめ子の『ほとばしる副作用』(文春文庫PLUS)を読む。巷では”ガーリーな毒”とかなんとか言われているらしい辛酸なめ子だが、そんな生やさしいものではなーい。リリー君級のシモネタ多発に、読んでるのを知られることがちょっと恥かしいくらい。何といいますか、厳しく育てられたり、女子校にいた者特有のシモネタって感じ?その為かすんなり飲み込めてしてしまうところもあって、若干自己嫌悪に陥るわたくしである。でも文章はやっぱりうまい。このシモネタにこのうまさは必要あるのか、と思う程に...。

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2007年6月 2日 (土)

『みんな元気。』

舞城王太郎の『みんな元気。』(新潮文庫)を読む。ぐったりする。すみません、もうついていけんわ。前後左右過去未来虚構リアルがよくわかんないままにぐちゃぐちゃとあっちこっち飛び、唐突な登場人物がフルネームで量産されてストーリーすらまともに追えず、人が見た夢の話を延々とノンストップで聞かされたような疲れが...。トヨザキに馬鹿にされてもいい、正直私にはもう舞城文学がわからない。著者が描いた挿画はうまいなーと思いました。褒めどころはそこだけかい。

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2007年6月 1日 (金)

『21世紀少年(上)』

(上)って一体なんだ!と思ったら、いつの間に20世紀じゃなくて21世紀になっていた、それだけでオドロキの浦沢直樹の『21世紀少年(上)』(小学館)を読む。これ書くまで気がつかなかったよ...。いよいよ最終章ってことらしい。そして映画化監督はあの堤幸彦らしい。うひゃー観ちゃうな。ラスト前にはもう一度全部読み返したい所存です。

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