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2007年3月

2007年3月31日 (土)

『風少女』

樋口有介の『風少女』(創元推理文庫)を読む。青春ほろにがミステリの宗家!による、これぞ原点的デビュー第二作目の大幅改訂版。昔の同級生の死について調べるうちにビターな諸々に直面するつう型は、先月出た『刺青白書』やデビュー作の『ぼくと、ぼくらの夏』の系譜で、それはもう繰り返されるデジャ・ヴみたいだけど私は好き。年齢に似合わない落ち着きとクールな物言いが小憎い、でも女子がほっとかないタイプの主人公も定番。とにかく私は好きです。

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2007年3月30日 (金)

映画『大帝の剣』

友人に試写会のチケットをもらって、映画『大帝の剣』を観に行く。徳川は家光の時代、いろんな勢力がそれぞれの思惑を以ってオリハルコン製”三種の神器”を集めんとする冒険大活劇。批評家には評判悪そうだけど、わしはフツーに楽しかった。どことなく仮面ライダーとかを彷彿とさせるチープなノリの特撮が宜しい感じです、堤幸彦監督。阿部寛は、大袈裟にでかい剣を構えても見劣りしないたっぱと、年を重ねて尚良い按配な二枚目フェイスで結構見事にかっちょいい。久々に演技するクドカンを見たらあのガタガタの歯を含めてやっぱり愛らしかったし、何だかもう果てしなく微妙なハセキョーからは眼が離せなくなっているし、見どころ満載の面子が揃っている。またもや仕事を断らない男・遠藤憲一が、これエンケンじゃなくてもいいじゃん?な役で登場。いつもながら男気を感じるぜ。夢枕獏の原作を読んでいた連れ合いは、この映画を観て「夢が壊れた」と言っていたが、奴に夢があったことに俺様は吃驚だよ。

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2007年3月28日 (水)

映画『東京タワー』

友人のお誘いで映画『東京タワー オカンと、ボクと、時々、オトン』の試写会に行ってきた。原作リリー・フランキー、脚本松尾スズキ、主演オダギリジョー、正にわたくしにとっては異業種オールスター揃い踏みと言ったところか。そりゃあ期待するなっていう方が無理!つうわけで膨らみすぎた期待で彦摩呂のようになりつつ臨んだ話題の映画ですが、うーんやっぱり辛い話だな。どうにもこうにも結末はわかっているから、気が滅入った。そんな辛い中にも、胸がつぶれそうに美しい、忘れられないであろうシーンもいくつかあったことは確か。とにかく樹木希林のオカンが本当にイイ。本当にイイ。二回言ってみた。わたくしとしては出演しているハズの岩松了が全然わかんなかったことが悔しい!さっき調べたら、ここかよ...的な出番であった。わからんて。

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2007年3月26日 (月)

『團十郎切腹事件』

戸板康二さんの『團十郎切腹事件』(創元推理文庫)をやっと読了。老歌舞伎俳優・中村雅楽が、幕内で起こる事件や演劇記者の竹野氏によって持ち込まれる事件を恐るべき観察眼とスルドイ頭脳でもって解決に導く、かなり分厚い短編集で、《中村雅楽探偵全集》の第一巻にあたる。表題作は第42回直木賞受賞作。探偵役が歌舞伎役者故、「車引殺人事件」「立女形失踪事件」「松王丸変死事件」等々のタイトルが並んでいるが、歌舞伎を知らなくても全く大丈夫。勿論歌舞伎好きにとっては、少し昔の歌舞伎界の様子をじっくり味わえることがまた楽しいかも。この全集は全部で五冊になる模様。ゆっくりと堪能したいシリーズであります。

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2007年3月25日 (日)

『大東京三十五区 夭都七事件』

物集高音の『大東京三十五区 夭都七事件』(祥伝社文庫)を読む。昭和初期の帝都で起こる猟奇的な事件や不思議な出来事、キナ臭い諸々。怪しいネタを万年学生の阿閉君が拾ってきては、下宿館主人の”縁側探偵”間直瀬玄蕃が解いていくっつう連作短編集。前作『冥都七事件』同様、講釈調と言うのかリズミカルな語りは大層凝っており、帝都の雰囲気たっぷりな感じも宜しく、かなり好みなのにどこか惜しい気がするのも相変わらず...。もうちょっと面白味があったら言う事なし、なんですけど。

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2007年3月24日 (土)

『禁じられた楽園』

恩田陸の『禁じられた楽園』(徳間文庫)を読む。禍々しくも美しい世界を作り出す、若きカリスマ美術家・烏山響一。その危険で圧倒的な存在に魅せられた大学生の捷や彫刻家の律子が、彼に招かれた巨大な野外美術館で見たものは...っつうホラー大作。面白いけど怖い!怖いけど面白い!そんな能のない感想ですまん。1ページ目で烏山響一に出会った瞬間から、あぶないと思いつつもうやめられないんです。邪悪な空気に怯えながらも、またどこかで響一に会いたいとうっすら願わずにいられない。そんな男を作ってしまった恩田陸に乾杯。

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2007年3月20日 (火)

『片眼の猿』

道尾秀介の『片眼の猿』(新潮社)を読む。著者は”ミステリ界最注目の新鋭”らしい。邪悪な眼をしたトランプのジョーカー猿の表紙が気に入って購入。ある”特技”ゆえに業界では有名な探偵・三梨が、産業スパイの調査をする中で巻き込まれる諸々。時折気になる引っかかりを残しながらも何処へ行くのかわからないストーリー展開に、とにかく読み急ぐ。スレた読者にはちょっと怪しいな?と疑惑を抱かせる程度のトリッキーな技が小出しにされ、さほど騙された感に打ちのめされない印象を残すのがうまいかも。ノーマークで完璧に騙された部分もあるんだけどね。そんな事を含めて結構楽しめた一冊。

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2007年3月19日 (月)

『QED 龍馬暗殺』

高田崇史の『QED 龍馬暗殺』(講談社文庫)を読む。歴史の闇に迫る薬剤師・タタルさんのシリーズ文庫化最新刊だけど、おお、またまた幕末ものだ。続けて読むと色々リンクして大変勉強になる気がします。いつまで覚えていられるかが問題だが。さて今回は高知の山奥の村で起こる殺人事件と、龍馬暗殺の黒幕を一気に解いてしまおうっつうタタルさん。相変わらず守備範囲の広い人よ。龍馬って見廻組の佐々木只三郎にやられちゃったんでしょ、くらいにしか思っていなかったので(←日テレドラマ『白虎隊』の刷り込み)、結構ショーゲキであった。しごく当たり前だけど物事は色んな角度から見ないとあかんな。とりあえずいつもよりはタタルさんについて行かれただけで満足っす。

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2007年3月17日 (土)

『坊ちゃん忍者幕末見聞録』

奥泉光の『坊ちゃん忍者幕末見聞録』(中公文庫)を読む。おお、昨日に引き続き幕末ものだ。が、同じ幕末でもここまで違うか、な呑気ぶり。タイトルが示す通り、まるで漱石の坊ちゃんを思わせる、主人公の松吉(幕末の京都にて医者宅で書生をする忍者?)の語りがユーモラス。自分勝手で日和見だが憎めきれない幼なじみに振り回され、なんだかんだと巻き込まれていく松吉が、案外自分を見失わないのがエライと思う。後半、ちょっとドタバタ。ていうか無茶苦茶。奥泉光は変な人だな。そしてこの本を薦めてくれた友人カッパもちょい変な人(褒め)。

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2007年3月16日 (金)

『輪違屋糸里(上)(下)』

ついに文庫化!浅田次郎の『輪違屋糸里』(上下巻/文春文庫)を読む。土方歳三や沖田総司贔屓なわたくしとしては、芹沢一派寄りな本書が初めどうにもきつかったのは否めない。土方らが各方面から精神的にとことん百姓呼ばわりされているのも辛いのね。割と今まで、芹沢=わるものな図式にされがちだったので、このような見方にやや戸惑うもいちいち納得してしまうのが浅田次郎の力量か。すべからく物事には深く複雑な背景があるよのう、と見識を改めた。とにかく天然理心流サイドに立っているわたくしであるに故、諸々個人的な不満もありつつ読み進んだわけだが、やっぱりやってくれたネ次郎!な終盤に感涙。誠のおなごの啖呵に打ち震えてくれい。

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2007年3月14日 (水)

映画『バブルへGO!!』

バブル時代が忘れられなくって(ウソ)映画『バブルへGO!!~タイムマシンはドラム式~』を観に行った。ホイチョイ臭さが懐かしいっちゃあ懐かしいが、今も昔も潔いほどに何も残らないっつうホイチョイ、ある意味筋が通ってるのか。何で観に行ったのかしら。郷愁??でもわたくしはボディコンもあまり着なかったし、ディスコ(否・クラブ)にもさほど行かなかったし、バブル言うても何もいいことなかったっすけど。バブルの恩恵にあずかった女子というのは、青田典子みたいな人ではないだろうか...。なんて若干暗くなりながらも、終始バカバカしいのでだらっと見られます。ていうか、テレビで見れば充分。それこそフジテレビで!

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2007年3月12日 (月)

異邦人たちのパリ展

友人が招待券をくれたので、国立新美術館へ「異邦人たちのパリ 1900 - 2005 ポンピドー・センター所蔵作品展」を見に行く。異邦人と書いてエトランジェと読みます。最初の方に展示されていたエコール・ド・パリ的な作品群はとっつきやすく、普通に楽しく鑑賞できる。藤田嗣治の油絵なんてば、ギラギラしてなくて繊細な線がイイねと今更ながらその魅力に気付く。今後要チェックだな。ジャコメッティの彫刻は上半身だけのものしかなかったが(脚が好きなのに!)、鼻も実に好みであったので良しとする。キュビズムは相変わらずようわからん。人の多さも手伝って、気持ちが悪くなる。とにかく大盛況で、人大杉...と2ちゃん用語で言いたくなるっちゅうねん。もうどうにでもなれ!と、ミュージアムショップにてミナのバッグを買う。わーい。またもや美術館にて散財じゃよ。

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2007年3月11日 (日)

『Daddy Long Legs』

勝田文の短編集『Daddy Long Legs』(集英社クィーンズコミックス)を読む。表題の『Daddy Long Legs』は、あの『あしながおじさん』を昭和初期の日本を舞台にしてリメイクしたもの。これがとっても雰囲気があって良い感じ。乙女の欧米文学をちょっと昔の日本に翻訳するシリーズ?をもっと描いてくれると嬉しいな。原作もきちんと読んでみたくなる、もしくは読み直したくなること請け合い。

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2007年3月10日 (土)

三月大歌舞伎・夜の部

三月の歌舞伎座は義経千本桜の通し。夜の部を観に行く。義経千本桜は正直よくわからない。鳥居前と碇知盛(これらは昼の部)とすし屋と四の切が同じ通し狂言だと言う事が全く飲み込めていなかった。終わった後カブキチのカッパに説明して貰ってやっと少しわかる。お脳が小さいのでたいへーん。立回り好きとしてはやはり小金吾討死のところにぐっときた。ちょっとうとうとしていても、次は立回りだから見どころ!と隣のカッパが注意してくれるので大層有難い。ていうか寝るな!おさる。すし屋時の、仁左衛門さんのおみあしも良かったねえ。ってわたくしは常時脚のことばっかり言っているな。剥き出しだな。

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2007年3月 7日 (水)

映画『さくらん』

左團次さん目当てで映画『さくらん』を観に行く。キュートなご隠居ぶりはグッドだったけど、お弟子さんも出してたも~と思う偏ったカブキチをお許しあそばせ。花魁に肩を貸す役なら左十次郎さんこそ適任!とか、せめて駕籠かきくらい左字郎を使えとか、本筋とは関係ないダメ出しをカッパと二人で連発。でも安藤政信もえらくかっちょよかったのよ☆私は好きよ。土屋アンナは原作のきよ葉にとにかくそっくりだった。動くマンガみたい。あと、女優は皆いぢわるな演技だけはうまいな。女は根っからいぢわるだからか。とりあえずいぢわるしてると皆イキイキだ。全体的にキャスティングはさほど面白味がなかったが、遠藤憲一が出てきた時はうはうはした。どんな仕事も断らないエンケン万歳。映像は思った以上でも以下でもないジャスト蜷川実花。派手でキレイで、あと何か必要?と蜷川監督言ったとか言わないとか(言ってません)。

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2007年3月 6日 (火)

またまた、おかんの京都土産

Shinzaburo
すっかり京都を気に入っているおかんが、かの地でまたまたファンキー買物。
朝いちにタクシーで駆けつけて並んで買った!と、かなり恩に着せられた一澤信三郎帆布のトートバッグ。
あんた菊バカだからこれにしたのよ、と若干偉そう。
しかし確かに菊バカにはヒット。おかん、恐るべし。

Gionkoisi_3
こちらも菊バカ向け。祇園小石の干菓子...確かにカワユス。

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2007年3月 5日 (月)

『ロリヰタ。』

嶽本野ばらちゃんの『ロリヰタ。』(新潮文庫)を読む。『鱗姫』あたりからついていかれなくなっていた野ばらちゃんを久しぶりに読んでみたいと思ったのは、ロリータ・ファッションを愛する作家と美少女モデルの恋!みたいな話だったから。乙女のカリスマである作家の「僕」とは、限りなく御本人に近いのではと勘繰ってしまうリアルさがあったね。そんな自らの置かれた(と思える)状況を、ちょっと笑い飛ばしているのが良いかな。そしてそれがあんまり笑えないのもご愛嬌...。初期の頃に比べて若干軽くなっていたけど、己の美意識を頑固に貫いている姿勢はやっぱり好きよ。

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2007年3月 4日 (日)

『鉄子の旅(6)』

菊池直恵&旅の案内人・横見浩彦の『鉄子の旅(6)』(小学館IKKIコミックス)を読む。なんと最終回!さすがに寂しい。私に鉄道のいろは?を教えてくれた鉄子よ、アリガトウ。このマンガのおかげで、テツ寄りな回のタモリ倶楽部もとっても楽しく見られるようになりました。鉄ヲタの時代はカクジツに来ているのかも!やったね横見さん。そういえば丸の内の丸善にて、菊池さん&横見さんのサイン会&トークショーがあるらしい。司会はIKKIのカミムラさん!鉄子ファンには堪らんな。もっと早く知ってたら行ったのにな。くーっ。

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2007年3月 3日 (土)

『天の陽炎』

栗本薫の『天の陽炎 大正浪漫伝説』(角川文庫)をうっかり読む。そういえば『狂桜記』という、やはり”大正浪漫伝説”な副題がついていた本で一度懲りていたではないか...っつうことを読後思い出す。こーゆうのが書きたいんだろうっていう気持ちはすごーくよくわかるけど、お金の掛かったお洋服とか没落華族のうすっぺらい悩みとか物憂い雰囲気とかの描写は確かにうまくてほんとに好きなんだろうなってことはすごーくよくわかるけど、何だかな!的な。フジテレビの昼ドラでやったらどうか!的な。前のことをすっかり忘れて食いついてしまった私も大正浪漫は嫌いじゃないのよ。しかしどうにもうんざり感が残るお話であった。悪いけど。

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2007年3月 2日 (金)

金印発見!

博多滞在の折、観劇の合間を縫って福岡県立美術館と福岡市博物館に行った。福岡県立美術館は、去年展覧会で見てすっかり心を奪われた高島野十郎の作品を沢山持っているのです。わしらが行った時には残念ながら5点のみの公開であったが、やはり実際の絵を目の当りにするとその静かな迫力に圧倒され感激。しかもそれらの野十郎作品は無料で見られるのだー。カッパが事前に美術館に問い合わせてくれた際の、学芸員さんの丁寧で愛ある対応も大層好感。小規模でロケーションに少々残念なところもあるけれど、諸々の姿勢が素晴らしい美術館なのであった。
Kin_in次に赴いた福岡市博物館はうってかわって超バブリー外観!紀章かっ?的な巨大ハコモノ。わしらのお目当ては国宝金印よん。隙あらばキャッツアイ出動よん。と張り切るも、予想をはるかに上回る小ささにキャッツも吃驚。しかし見た目のバブリーさの割には200円で常設展が見られ、とっても楽しい博物館であった。記念に金印ハンコを買いました。ベタですな。


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2007年3月 1日 (木)

『さらい屋 五葉(第二集)』

オノ・ナツメの『さらい屋 五葉(第二集)』(小学館IKKIコミックス)を読む。オノ・ナツメによる異色時代モノ、待望の第二集。少しずつ五葉の面々の過去などがわかってきて、益々気に入る。粋じゃのう...。つかみ所のない男・弥一のやや危険な悪の匂いに惹かれまくって、気付けば三月。

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