2009年11月10日 (火)

『ナイン・ストーリーズ』

サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』(ヴィレッジブックス)を読む。シンプルな装丁が美しく潔い。柴田元幸の訳で、新訳は35年ぶりだそうだ。さすがに読みやすかったー。でも私が愛読していたのは野崎孝・訳のもので、それはもう何十回も繰り返し読んでいたから、記憶している野崎版の文章といちいち比べてしまうのが我ながら疲れた。そんな作業も読書の醍醐味ではありますが。やはり私は「エスキモーとの戦争前夜」が一番好き。昔も今も。

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2009年11月 9日 (月)

『風が強く吹いている』

三浦しをんの『風が強く吹いている』(新潮文庫)を読む。わたくしは走るのが大嫌いだし、まあ箱根駅伝はテレビで必ず見るっちゃあ見るけれど、正月から寒い中あんなキツイことをする意味がわからん、と思う方なので、実はこの本読む気はあんまりなかった。友人が熱烈に薦めてくるも、君はほっとくとトライアスロンとかやりかねん人種だからなー、君にはヒットするかもしれんが俺にはたぶん効かんね、と半信半疑であった。前フリ長いが、ほんとおおおおおに私は走るのが嫌いなんだよ。なのにこの小説を読んで走りたくなったんだよ!これがっ文学の力かーと、久しぶりにしみじみ思ったことだ。ざっくり言うと、ある大学陸上部の個性あふれる10人が、その面子じゃあ到底無理!と誰もが思う箱根駅伝を目指すっつう話。皆同じ竹青荘というボロアパートに住み、なんだかんだと言いながらも信頼できるリーダー・ハイジの元で練習を重ね徐々に力をつけていく。全員目指すところは同じだけど、勿論一人一人実力も違えば走ることに対する思いも違う。それを吐露していくとこなんてほんとうまいー。後半なんて俺泣きっぱよ。今更でしょうが、読んで良かった!君たちも読みたまえ!とあれだけ乗り気じゃなかった自分を棚に上げ、叫んで回りたい傑作と思う。

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2009年11月 8日 (日)

新橋演舞場 花形歌舞伎・夜の部

絶不調。信頼していた人から諸々否定され、しばらく立ち直れそうもないくらいに落ちた。考えると辛いので、一日中ひたすらぼーっとテレビを見ていた。お酒すら飲まずに。テレビってすごいなあ。これ見続けたらほんと何も考えないバカになれるね。今の私には有難いが、完全に現実逃避。まあ弱音はこれくらいにして。
文化の日のことですが、新橋演舞場へ花形歌舞伎・夜の部を観に行った。もうずいぶん前のことみたい...嗚呼花形歌舞伎はやっぱり楽しい!「三人吉三」、お嬢もお坊も和尚もスバラシ!お嬢吉三・菊の、「月も朧に白魚の...」のとこもしびれました。若い世代の勢いのある感じも嬉しいけれど、一人いぶし銀の歌六さんがまたシブイ、かっちょいい。全てが権一さんに託されるのも感無量であった。権一、頑張れ!と手に汗握りながら応援。「鬼揃紅葉狩」は何といいますか、面白かったなあ。コーフンした。亀治郎の鬼がふんとにスゴイんだけど、とにかく揃いも揃った鬼軍団にひゃあひゃあ。中でもひと際うまいうますぎる鬼一匹...沢山いるのに、しかも顔には線とか色々描いてあるのに、天才・尾上右近だけは右近ちゃんだ、と明らかにわかる!っていうことに震撼した。んもうすごかったね!と同行のカブキチさんたちと言いながら、花形歌舞伎はええなあ(海老蔵さん不在がちょっぴり残念だったケド...)と噛み締める文化の日であった。

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2009年11月 3日 (火)

『ウエハースの椅子』

江國香織の『ウエハースの椅子』(新潮文庫)を読む。えええ、江國香織で泣いてしまうなんて...今まで江國香織の描く女子にはことごとく違和感と距離を感じていたけれど、こんなに感情移入したのは初めて。登場人物たちに名前がないところもいいのかも。38歳の画家である私と、妻子ある恋人。「私はあなたといると何の過不足もない」と言うけれど、そんな風に言うこと自体何かが欠落している哀しさ。「あなたがいないとき私は死んでいるのよ」という本気。恋することの絶望、そこに閉じ込められてしまう息苦しさ。少しずつ壊れていく「私」を、あんまりひとごととは思えなかった。

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2009年11月 1日 (日)

『秘密(7)』

清水玲子の『秘密(7)』(白泉社ジェッツコミックス)を読む。シリーズ最厚の第7弾!!と帯にもある通り、かなり厚い&濃い、大作であった。外務大臣の娘が誘拐され、自殺した容疑者の脳の映像から「第九」が少女の行方を追うのだが、そこには驚くべき緻密な計画が...みたいな話。うーん何かもうねー絶句するくらいスゴイよ。人間ここまで鬼になりますか、って話よ。しかもぞっとする位よく出来ているんですわ。この傑作の前では、参りました!と唸ってドロンするしかないおさるであった。

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2009年10月29日 (木)

『新釈 走れメロス 他四篇』

森見登美彦の『新釈 走れメロス 他四篇』(祥伝社文庫)を読む。表題作をはじめとして、『山月記』『桜の森の満開の下』など古典の名作をモリミーならではの愛を以ってリメイク。時にバカバカしく、時に情緒たっぷりで、かと思えばうっすら寒い余韻を残す。私はやはり『走れメロス』が好きー。太宰は勿論大好物ですが、本家メロスよりも気に入ったかも。ほんとにくだらなくて、不覚にも笑ってしまった。嗚呼モリミーを読むと京都に行きたくなるね。

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2009年10月28日 (水)

『欲しい』

永井するみの『欲しい』(集英社文庫)を読む。先日酔っ払って本屋へ行き、マンガ新刊など数冊求めた時に何故か一緒に買っていたもの。裏表紙のあらすじを抜粋すると、「人材派遣会社を営む紀ノ川由希子は42歳、独身。恋人には妻子がいる。愛しているのに、会えば会うほど飢えていく。そんな心の隙間を埋めるため、逢瀬の後はいつも派遣ホストを呼んでいた。」...え、なんでこれを??とちょっと動揺するも、酔った俺が選んだ本というのに興味もわいて一気読み。ミステリなんすけど結構こええ!何といいますか、ノーマークだったあの人が実はこんな奴だったとは...的な意外な怖さ。愛する人と一緒にいたいとか安定した未来が欲しいとか、わかりやすい欲望を持った人間については頭では理解できるからいいんだけど、ええっそんなことのためにここまでするの...みたいな人ってたちが悪い。理解できないから怖い。でもミステリとしては面白かったです。酔っててもやるな、俺。自我自賛か。

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2009年10月26日 (月)

和栗のモンブラン

Waguri甘いものより断然お酒、だが
友人カッパに連れられて行った
銀座みゆき館の和栗のモンブランは
たまにすっごく食べたくなる。
歌舞伎座に近いのが良い。
今の季節は新栗使用だそうです。

どうよ、女子っぽい?

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芸術祭十月大歌舞伎・夜の部

昨日は十月大歌舞伎の千穐楽でありました。友人カッパと夜の部へ赴く。見所満載の「通し狂言 義経千本桜」、前半は播磨屋祭・後半は音羽屋祭といった感じか。「渡海屋」、女房お柳は玉さん。おお。義経は富十郎さん。おお。贅沢...。最近、四人くらいの若武者衆を隼人・尾上右近・種太郎・巳之介といった面々が凛々しく演じていることが多くてなんだかとっても嬉しくなるおばちゃんであった。吉右衛門さん知盛の壮絶な最期は圧巻。「吉野山」、菊の静御前にうっとりざんす。男子もいいけどやっぱり女子も捨てがたい。嗚呼両方イイ。「川連法眼館」では菊五郎さんの狐ぶりに色々吃驚。義経千本桜は相変わらずおちゃるにはムツカシイのですが、何度も観ているうちにもっとわかるようになるかなー。なりたいなー。飲み込みの悪いコドモか。

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2009年10月25日 (日)

たそがれマンガ日記

たまっていたマンガを何冊か。乃木坂太郎の『医龍(21)』(小学館ビッグコミックス)、まだ読んでるのって感じですか。しばらく病院内の政治的な話が多かったけど、久々に医龍っぽい話でスッキリ。よしながふみの『大奥(5)』(白泉社ジェッツコミックス)は綱吉の時代。赤穂浪士もさらっと登場だが、確かにこのシチュエーションでは全員切腹は実に勿体無い...。これ、慶喜まで続くのかしら。よしながふみでもう一冊、『きのう何食べた?(3)』(講談社モーニングKC)、年老いていく親に対する心配やゲイ故に子孫を残してやれないせつなさなんかもありつつ、相変わらずシロさんの作る美味しそうな料理にグーグーですよ。しかし珍しくケンジがひとりで作っている一品(サッポロ一番みそラーメン)に意外にも激しくそそられるのであった。中村光の『聖☆おにいさん(4)』(講談社モーニングKC)はもはや安定期ですな。お盆話とネトゲ聖人の話がツボだった。案外ネタは尽きないなあ。スバラシ。

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